【4月4日付社説】光南高と矢吹町/学びと創生の連携モデルに

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 人材の育成と地域活性化の両方を実現するための取り組みとしてモデルになるよう期待したい。

 矢吹町と光南高は、同校の教育成果を町の活性化に生かすとともに、町の資源や環境を教育活動に活用するための連携協定を結んだ。同校によると県内の自治体と高校の間での連携協定は初めて。

 協定によると、町と同校は、2021年度を目指している道の駅整備を見据えて商品を共同開発したり、16年度に初めて実施したスタンプラリーを継続したりするなど、観光・情報発信事業で連携する。連絡会議を定期的に開き、まちづくりや地域振興策を一緒に考えていく。連携を通し、高校生が社会に目を向けて、地域に貢献する力を養いたい。

 同校は1996年4月、矢吹高の閉校と同時に、県内初の総合学科の高校として開校した。文理進学、体育、家庭、福祉介護、テクノアート、情報ビジネスの六つの系列があり、生徒は進学や就職、商工業の担い手など、自分の志望に合わせて教科を選択し、学習している。

 個性を生かして社会に貢献できる若者を育成するために社会経験の場を設けており、これまでも町と地域活性化の活動で協力してきた。しかし、教員や生徒が代わっても連携を継続できるように協定を締結した。

 学校の外に出て社会を経験することは、地域の力を借りながら、生徒が多様な考え方を学ぶとともに、豊かな発想を生み出す糧になるはずだ。

 一方、町は、人口減少と高齢化を見据えて、若者の町外への流出を防ぐことも視野に入れる。町内から通う生徒は1割強にとどまるが、町と同校の連携を通じて、町の活性化に協力してくれる若者をより多く育てたい考えだ。

 全国の自治体は地方創生に向けて知恵と工夫を競っており、国は従来の考え方にとらわれない事業展開を求めている。同町は昨年、同校の生徒と共同で行ったスタンプラリーに生徒のアイデアを採用し、成果を上げることができた。若者には大人にない斬新な発想がある。連携を機に、生徒らの発想を地域活性化にいっそう役立ててもらいたい。

 県教委は、17年度から頑張る学校応援プランを展開し、地域との連携強化を各学校に求めている。各高校は行政だけでなく、企業や地域の専門家らを講師に招いて授業を行うなど、工夫を凝らして地域との連携に積極的に取り組み、地域の担い手として古里と共に生きる人材の輩出に努めてほしい。