【4月11日付社説】サッカー天皇杯/熱戦を元気広げる原動力に

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 サポーターらがボールの行方に目を凝らし、果敢な選手のプレーに大きな歓声が湧き起こる。福島市で9日行われたサッカー天皇杯全日本選手権の県代表決定戦決勝は花冷えを吹き飛ばすような熱気で盛り上がった。

 今年の天皇杯は例年以上に注目を集め、県民のサッカー熱がさらに高まった。その大きなけん引役となったのが、県代表の座を争った県内トップ2チームの活躍だ。両チームが今後も切磋琢磨(せっさたくま)し合うことで県民のサッカーへの関心がより高まり、本県のスポーツ振興につながることを期待したい。

 決勝で対戦したのは、J3の福島ユナイテッドFCと、Jリーグ入りを目指すいわきFC(県社会人リーグ1部)。昨年に続き2年連続の顔合わせとなった。

 福島は今シーズン、J3で開幕4連勝と好調を維持している。一方いわきは天皇杯の県予選3試合で計22点を挙げて勝ち上がった。

 「福島ダービー」とも称される注目の試合は、福島が緻密なパスサッカーでゲームを組み立てたのに対し、いわきは豊富な運動量を生かして貪欲にゴールを狙いにいった。いわきが2―0で勝利したが、両チームとも持ち味を出し切った見応えのある試合だった。

 いわきは昨年の雪辱を果たし、天皇杯本大会に初出場する。本大会は今月22日に開幕し、いわきは1回戦でノルブリッツ北海道FCと対戦する。本県代表として頂点を目指して力を尽くしてほしい。

 本県のサッカー界をリードする両チームに期待されている役割は大きい。レベルの高いプレーを間近に見る機会が多くなることでサッカーに関心を持つ子どもが増えれば、競技人口の拡大につながる。さらに、両チームでのプレーを目指す中高校生が育つことで、競技力も底上げされる。

 両チームには、サッカースクールなどを通して子どもの競技力向上や体力増進への支援を強めることで、チームの資源を地域に生かしてもらいたい。

 県は2019年のJヴィレッジ(楢葉、広野町)の全面再開を見据え、サッカーを核とした地域振興に取り組む。同施設を活用し、サッカー初心者や女子チームの大会を開催するなどして競技の裾野を広げる考えだ。県は両チームとも連携しながら、サッカーファンを増やしていくことが大切だ。

 今季、福島はJ2、いわきはJFLへの昇格を目指してシーズンを戦う。両チームの活躍は、復興へと向かう県民に元気を広げる原動力となる。天皇杯で盛り上がった機運をさらに高めていきたい。