【4月12日付社説】小高産業技術高/商・工の強みフルに発揮を

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 浜通りの復興を担う高度な知識と技能を持つ人材を育む拠点として着実に歩みを重ねてほしい。

 東日本大震災と原発事故から6年1カ月のきのう、国による避難指示が解除された地域に開校する初めての高校となる県立小高産業技術高の開校式が行われた。

 同校は、原発事故で南相馬市小高区から避難し、市内の仮設校舎で授業を続けてきた小高工高と小高商高が統合してできた。

 統合前の学科を継承するほか「産業革新科」を新設、ロボット制御のためのプログラミングや、再生可能エネルギーに関する技術などを学べる。2校の良き伝統を受け継ぎながら、新設校として新たな歴史を刻んでもらいたい。

 開校と同時に同校は、文部科学省の「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)」に指定された。文科省が助成や指導、助言などで支援する。

 県教委によると、商業科と工業科の複数科によるSPHの指定は全国で初めてという。統合校の強みを生かした、同校ならではの特色や個性づくりに取り組み、発信していくことが求められる。

 浜通り地方では、ロボットや新エネルギー産業を集積する福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想があり、新産業の集積が進んでいる。

 同校は今後、同構想への参入を目指す企業でつくる「南相馬ロボット産業協議会」をはじめ、ロボットなどものづくり企業との協力関係を築く考えだ。さらに会津大や福島大などとも連携し、ロボット工学の研究などに取り組む。

 イノベーション・コースト構想の実現に向けては、企業の期待に十分に応えることができる人材育成が欠かせない。企業のニーズを的確に捉えながら、カリキュラムなど教育内容を充実させていかなければならない。

 県内では避難指示が解除された地域で、若者らの帰還が進んでいないという現実がある。小高産業技術高でも新入生の志願者は定員を下回る状況だった。生徒たちが同校を選び、学んでみようと思えるような教育環境の整備に一層力を入れる必要がある。それには地元の支援態勢も欠かせない。

 「時は行く 我は行く 今日を学びに身も魂も」。開校式では作詞を小説家の柳美里さん、作曲をシンガー・ソングライターの長渕剛さんが担当した校歌が、長渕さんによって披露された。

 生徒たちには勉強やスポーツに積極的に取り組み、自分の人生とふるさとの将来を力強く切り開いていってほしい。