【4月15日付社説】ミデッテ開館3年/情報を伝え集める力強めよ

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 本県のいまを全国に発信する前線基地としての機能を高め、福島ファンを増やしていきたい。

 県と県商工会連合会が東京・日本橋に設置するアンテナショップ「日本橋ふくしま館」(愛称・ミデッテ)が開館3周年を迎えた。

 ミデッテは2014年4月、江戸川区のスーパー内に設置していたアンテナショップ「ふくしま市場」に代わり開設された。県産品の物販にとどまらず、原発事故の風評払拭(ふっしょく)を目的に、売り場をふくしま市場の約4倍に拡大して、都心で営業を開始した。

 生鮮品や加工食品、日本酒、民芸品など取扱品目は約2500点に及び、自治体が設置するアンテナショップではトップクラスだ。昨年度は過去最高の約39万人が訪れ、売り上げは約4億1700万円(速報値)に上った。

 県によると、リピーターが多いのが特徴という。消費者の心をつかむ質の高い商品が、本県にたくさんある証しだといえる。一度、県産品の良さを知ってもらえば、ファンになってもらえる可能性は高まる。そのためには、産直イベントなど、来店したくなる企画を充実させ、新規客の開拓に力を入れることが肝心だ。

 来店者のニーズを集めて地元に情報を伝え、商品改良に生かしていく取り組みも欠かせない。

 東京には年間を通し、海外から旅行客が多く訪れる。外国人にもミデッテに足を運んでもらえれば復興が進む本県の現状や食品の安全性への理解も深まり、海外に残る風評解消につながるはずだ。

 県は昨年、ミデッテを免税店にしたほか、英語の案内冊子も作るなど、外国人観光客を受け入れる環境を整えつつある。無料の公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の導入や、ホームページの多言語化なども進め、利便性を高めてもらいたい。

 アンテナショップを有効に活用して、本県への移住や交流人口の拡大にも役立てたい。

 長野県は東京のアンテナショップに移住やU・Iターン就職の相談コーナーを設け、担当職員を常駐させている。本県でも、こうした事例を参考にミデッテの機能を多様化していくことが求められる。

 ミデッテは今年12月に改装を予定している。JR東京駅八重洲口近くにある県観光案内所「八重洲観光交流館」をミデッテに集約するためだ。同交流館は「東京駅に近くて便利だ」と閉館を惜しむ声もある。統合によって本県の発信力が弱まることがないよう、ミデッテの集客力と情報受発信力をいっそう高めていくことが必要だ。