【4月21日付社説】衆院区割り勧告/十分な周知と改革の努力を

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 衆院小選挙区の「0増6減」と「1票の格差」を是正するための新たな区割りの改定案を、衆院選挙区画定審議会(区割り審)が安倍晋三首相に勧告した。

 区割り審は定数1減の6県と、2020年の見込み人口で最少選挙区に設定した鳥取1区より人口が少ないか、2倍以上の選挙区がある13都道府県の計97選挙区の区割りを見直した。

 それによれば20年の見込み人口で最多の東京22区と最少の鳥取1区の格差は1.999倍となる。改定案は直近の15年国勢調査の結果だけでなく、20年見込みに照らしても格差が2倍未満に収まるよう当面の手当てをした形だ。

 衆院選は、3回連続で1票の格差が2倍を超え、いずれも最高裁が「違憲状態」と判断している。国会は今後も、民意を的確、適正にすくい取ることができるよう改善に取り組まなければならない。

 本県は、15年国勢調査で人口最少県の最少選挙区だった鳥取2区より人口が少ない福島4区に、現福島3区の西郷村を編入する案が示された。西郷村の人口は約2万人で、新福島4区は鳥取2区を約1万3000人上回ることになる。

 総務省によると、区割り審では中選挙区時代に会津と同じ旧福島2区だった西郷村と岩瀬郡が候補になった。人口が減少する自治体が多い中、西郷村は人口が増えていることから、将来の再改定を避けることも踏まえたという。

 改定では人口だけでなく、生活圏や交通事情などが考慮された。だが県南を生活圏とする西郷村民が会津を範囲とする福島4区への編入に戸惑うのももっともだ。政府と衆院は説明を尽くすべきだ。

 政府は勧告を反映した公選法改正案を5月の大型連休後に国会に提出。今国会で成立すれば1カ月の周知期間を経て、7月ごろ新たな区割りが施行される見通しだ。

 区割り改定は今回で3回目だが選挙区の約3分の1が見直されるのは過去最大で、住民への影響は大きい。選挙区は、有権者の選挙権を保障する観点から重要な基本情報だ。政府や自治体には新たな区割りの周知徹底が求められる。

 今回の改定でも課題は残る。小選挙区の定数配分は、20年の国勢調査の結果を踏まえ、新たな配分方法「アダムズ方式」に基づいて再度検討される。

 1票の格差は是正しなければならないが、大都市圏への人口集中が止まらない中で、人口比を厳格に適用すれば、地方の議員定数はさらに減少する可能性が高い。地方の声を反映させる観点を含め選挙制度の抜本的な改革が必要だ。