【5月5日付社説】こどもの日/笑顔がもっと広がる社会に

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 〈吾子(あこ)と来ておにぎり食べる海の青空の青たぶん今だけの青〉

                           古谷円

 子どもと行楽に出かけた時の様子を詠んだ歌だろう。子どもの成長は、親が思っている以上に早いものだ。だからこそわが子と一緒に見る光景が「今だけの青」だと思うと、おにぎりの味さえも特別なものに感じられる。

 きょうは「こどもの日」。県内の行楽地は、子どもたちの元気な歓声に包まれることだろう。

 子どもは、日本の未来を担うかけがえのない宝だ。子どもたち一人一人の笑顔がもっと輝く社会をつくりたい。

 県によると、本県の14歳以下の子どもの数(4月1日現在)は22万1978人で、前年より4800人減り、過去最少を更新した。

 少子化は、経済活動や社会保障、自治体や地域の活力などに大きな影響を及ぼす。本県にとって見過ごせない問題だ。

 県は今年1月、子育て支援計画「ふくしま新生子ども夢プラン」を改定し、合計特殊出生率を2014年の1・58から19年に1・69に引き上げる目標を掲げた。達成に向けては、子育てをしやすい環境を整えることが欠かせない。

 安心して子どもを産み、育てるためには、妊娠から子育て期にわたる切れ目のない母子への支援が必要だ。行政には、子育てに悩む母親らの相談にきめ細かく対応できる体制の充実が求められる。

 学校は、子どもたちの生きる力を育む場となる。県教委はアクティブラーニング(能動的な学習)を取り入れた授業の進め方などをまとめた手引を作り、本年度から小中学校で活用している。生徒の学力と体力を伸ばし、多様な可能性を引き出すことができる質の高い教育の提供につなげたい。

 働き方改革で、仕事と生活が調和するワーク・ライフ・バランスの推進が求められている。親との触れ合いは子どもにとって大切な時間となる。子育てに理解のある職場を増やしていくことが重要だ。

 全ての子どもが夢を持ち、明るく暮らせる社会にすることが大切だが、全国で子どもを取り巻く問題は後を絶たない。家庭が経済的に苦しい子どもは6人に1人に上る。児童虐待も増え続けている。

 一方で、困難な状況にある子どもたちを支えようと、食事の提供や学習支援を行う「子ども食堂」の開設が県内でも進んでいる。地域で子どもたちを見守り、育てる輪をさらに広げていきたい。

 空に悠々と泳ぐこいのぼり―。きょうは子どもの健やかな成長を一人一人が考える日にしたい。