【5月9日付社説】学校と地域/連携強めて教育力アップを

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 学校と地域がそれぞれの役割を再認識して力を合わせ、子どもたちの健やかな成長を支えたい。

 県教委は本年度から、学校と地域が一体となって子どもを育てる環境をつくる「地域と学校の協働事業」に取り組む。

 学校には地域と連携する担当教職員、地域には情報や人材を束ねるコーディネーターを置き、学校と地域が相互に連携しやすい環境を整える。これまで複数あった窓口を一本化することでスムーズな連携が期待できる。

 学校では業務の多様化に伴う教員の多忙化、地域や家庭では教育力の低下が大きな課題となっている。学校と地域が協力体制を強めて、児童生徒の学力やコミュニケーション能力の向上を目指さなければならない。

 協働事業は、県教委が本年度から4年間で取り組む教育施策をまとめた「頑張る学校応援プラン」の主要事業の一つで、コミュニティ・スクールの促進や「福島版コラボスクール構想(仮称)」の策定とともに取り組む。

 コーディネーターは元教員や行政経験者を想定しており、公民館などに常勤する。教職員と連絡を取り合いながら、子どもたちの地域行事への参加や、放課後の学習活動などを促す。

 放課後の学習支援では、現役教員や大学生らを支援員として配置する。家庭教育支援では、子育て経験者や民生・児童委員を支援員として置き、保護者の相談などに応じる考えだ。

 放課後の学びや交流の場を地域に設けることは「子どもの貧困対策」の観点からも望ましい。また地域や企業での体験活動は職業観を育むことにつながり就職のミスマッチを防ぐ一助にもなるだろう。地域の状況に即したメニューを用意することが重要だ。

 県教委は事業開始にあたって、国見、大玉、天栄、西郷、西会津、双葉、川内、楢葉の8町村をモデル地区に指定した。8町村は学校と地域のさらなる連携や、避難指示解除に伴うコミュニティー再生など、異なる課題を持っており、モデル事業を行うことで課題解消などに取り組む。

 県教委は、モデル町村での成果や評価を踏まえてコラボスクール構想を作成し、協働事業を全県に広げていく考えだ。

 「地域と学校が協働することで、地域も元気になり、教員も子どもと向き合う時間が確保できる」。県教委が描く学校と地域の関係を実現させるためには、学校側の努力とともに、地域住民と保護者の協力が欠かせない。