【5月16日付社説】GAP取得宣言/日本一実現へ総力挙げよう

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 本県農業の明日を切り開くために、GAP(ギャップ、農業生産工程管理)第三者認証の取得「日本一」を実現したい。

 県とJA福島中央会がGAPの取得促進に向けて「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行った。2020年度における県産農産物の出荷販売数量のうち半分以上を、GAP取得生産者の産品で占めることを目指す。

 県内の生産者は東京電力福島第1原発事故後、風評に苦しめられている。認証に裏付けられた高い水準の農業生産体制を、他の都道府県に先駆けて確立することは、風評払拭(ふっしょく)への強力な武器となる。

 行政と農業団体だけでなく、できるだけ多くの生産者が手を取り合って、第三者認証の取得に取り組んでいくことが肝要だ。

 GAPは、農産物の安全性を高めたり、環境保全や農作業の事故防止など、農業生産にかかわる工程を点検、改善する活動だ。

 第三者認証は、国際的認証として「グローバルGAP」、日本国内の認証として「JGAP」がある。しかし取得するには生産管理や申請が複雑で、費用がかかることなどから導入が進んでいなかった。県内の取得状況(3月末現在)はグローバルGAPが3件、JGAPが7件にとどまる。

 このため県は今夏、グローバルGAPやJGAPに比べて取り組みやすい独自の認証「県GAP」を創設する。宣言を機に県は20年度までにグローバルGAPとJGAPで計141件、県GAPで220件の取得を目標に掲げる。

 目標実現に向けて県は、取得や更新のための費用を全額助成するなどして生産者を応援する。さらに生産者向けの研修や指導員の養成などの取り組みを加速させる考えだ。目標のハードルは高いが、達成に向けて力を合わせたい。

 認証取得は安全性などをアピールするだけでなく、2020年東京五輪・パラリンピックの食材調達の要件となる。組織委員会は選手村で提供できる農畜産物の基準としてグローバルGAP、JGAPに加え、本県が設けるような都道府県GAPも認める見通しだ。

 五輪でより多くの人々に県産品を食べてもらえば、安全性だけでなく、おいしさも再認識してもらえるはずだ。目標の20年は東京五輪の年であるとともに、震災と原発事故から10年の節目でもある。

 宣言には小泉進次郎自民党農林部会長が立ち会い、長沢広明・復興、斎藤健・農林水産両副大臣が出席した。政府・与党には農業復興の柱となる第三者認証取得へのさらなる後押しを求めたい。