【7月25日付社説】東京五輪3年/オール福島の機運高めよう

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 「復興五輪」を掲げる東京五輪の開幕まで3年となった。大会開催の一翼を担う本県として準備を加速させるとともに、復興が進む姿を世界に発信できるよう機運を高めていかなければならない。

 2020年の東京大会は、東京を中心に本県など7道県の約40会場を舞台に、五輪で33競技、パラリンピックで22競技が行われる。

 本県では福島市のあづま球場で野球・ソフトボール競技の開幕試合が行われる。県は来年度から施設の改修工事に入る。県は「コンパクト」で「リーズナブル」な運営体制づくりを目指すとしている。開催に向けて万全な体制を整えてもらいたい。

 本県での競技開催は「復興五輪」の理念を具体化する取り組みだ。東日本大震災と原発事故の発生時に世界各国から寄せられた支援に感謝するとともに、復興が進む状況を世界にアピールし、理解を深めてもらう機会として確実に役立てなければならない。

 東京五輪・パラリンピックに参加する海外の選手らと地域住民が交流する「ホストタウン」構想で県内では、これまでに福島、会津若松、郡山、いわきの各市と猪苗代町が認定されている。

 ホストタウンは五輪選手らを交えてスポーツや文化面で交流し、相互理解を深めることが目的だ。大会前に限らず、その後の地域活性化や観光振興への波及効果も期待できる。事前合宿地の誘致を含めて積極的に名乗りを上げ、大勢の選手を県内に迎えたい。

 日本を訪れるのは選手や関係者だけではない。東京五輪・パラリンピック両方合わせて1000万人を超す観客が訪れる見通しとなっている。1人でも多くの人々に来県してもらい、本県の良き理解者になってもらえるよう観光ツアーの開発やイベント開催などに取り組まなければならない。

 県は、JA福島中央会とともに農業生産に関する第三者認証の取得日本一を目指す「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」をした。GAPは選手村での食材調達の要件になる。より多くの生産者が認証を取り、選手村などで県産農産物を食べてもらうことが風評払拭(ふっしょく)への近道となることを認識したい。

 本県での競技運営と情報発信に向けた官民の推進組織「東京五輪・パラリンピック復興ふくしま推進会議」がきのう設立された。

 これで全県の推進体制が整ったことになるが、地域や分野によって温度差があるのは否めない。震災と原発事故から10年目に開かれる五輪を「オールふくしま」で復興につなげることが重要だ。