【8月6日付社説】オリパラ教育/子どもたちの一生の財産に

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 2020年東京五輪・パラリンピックは、本県で野球・ソフトボール競技が行われるまたとない大会となる。「オリンピック・パラリンピック教育(オリパラ教育)」を推進して開催機運を高めるとともに、子どもたちの生涯にわたる心身の財産を得るような学びの機会にしたい。

 県と県教委は、五輪とパラリンピックを題材に授業などを行うオリパラ教育の実施校を決めた。実施校は福島市の小中学校と特別支援学校の計10校で各校は2学期からオリパラ教育を始める予定だ。

 オリパラ教育は、児童生徒が五輪とパラリンピックの意義などを知ることで、フェアプレーの精神や努力することの大切さを学ぶとともに、さまざまな国の文化やボランティア精神などに理解を深めるのが狙い。

 福島市の実施校では、五輪・パラリンピック選手による講演と競技体験、同市がホストタウンになっているスイスの文化についての学習などが想定されている。

 同市は野球・ソフトボール競技の開催地であり、ほかの市町村以上に、五輪の雰囲気を身近に経験できる。美化活動などでボランティア精神を育んだり、外国人選手や観光客をもてなす心や国際感覚の醸成につながるよう、学習内容に工夫を凝らしてもらいたい。

 県と県教委は本年度、実施校を福島市の小中学校と特別支援学校に絞ったが、政府と大会組織委員会は、小中学校だけでなく、幼稚園から高校までの子どもたちにオリパラ教育に参加してもらうよう実施校の対象にしている。

 昨年度から小中高でオリパラ教育に取り組んでいる岩手県が、児童生徒にアンケートしたところ、9割超が「主体的にスポーツに取り組んだり障害者を含めて人間関係をつくったりできる」と回答した。オリパラ教育は、目標を持ってベストを尽くすことの大切さや、他者との違いを認め合う心を育む効果があると言える。

 幼児期の体験は成長過程にある子どもたちに有意義な影響を与える。高校生が国際感覚やボランティア精神を養うことは進学や就職にも役立つだろう。幅広い年代の子どもたちにオリパラ教育を受ける機会を設けたい。

 県内では海外選手が住民と交流するホストタウンとして福島市のほか郡山、会津若松、いわき、猪苗代4市町が登録された。東京五輪・パラリンピックまで3年を切った。より多くの子どもたちがかけがえのない無形の遺産(レガシー)を得ることができるようオリパラ教育の体制づくりが急がれる。