【8月27日付社説】国内臨時便が急増/空港を活気づける追い風に

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 国内チャーター便の好調さを呼び水に、福島空港の活性化と本県の交流人口の拡大を図りたい。

 本県の空の玄関口である福島空港を使った国内チャーター便が急増している。本年度は現時点で合計52便の運航が決まり、昨年度1年間(20便)の2・6倍の水準になっている。数字には冬季に運航される便は含まれておらず、さらに運航便数は増える見通しだ。

 チャーター便は、旅行会社がツアーを募集、実施するために旅客機をまるごと貸し切って運航する臨時便だ。

 これまでに11月までの計画が固まった。関西や九州が中心で、出雲や南紀白浜など6空港は福島空港が1993年に開港して以来初運航となる。いずれもフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)が80席前後の小型機を運航する。

 県は、チャーター便の急増について、県内と運航先の双方における旅行需要の高さを要因として挙げる。その需要を旅行会社と航空会社が連携する形で掘り起こしているという。小型機を使うことでツアー定員割れのリスクを少なくすることができる利点もある。

 本年度に運航されたチャーター便の搭乗率は平均で7割を超えている。旅行先の目新しさや、目的地まで乗り継ぎなしで行くことができる便利さが利用者の増加につながっているとみられる。

 福島空港の国内線定期便は現在、大阪と札幌の2路線だが、かつては沖縄や名古屋、福岡などを含め最大で7路線あった。県は福島空港の潜在的な需要があることがチャーター便が好調な背景にあるとみている。県は需要掘り起こしにいっそう力を入れるべきだ。

 県外から本県への利用も高水準にある。旅行会社などによると、関西などでは本県を含む東北地方への旅行希望者は多く、原発事故の風評は薄まってきている印象だという。ただ本県の場合、観光地としての認知度が低いのが課題だという。豊かな自然や食、温泉など本県の良さをもっとPRしなければならない。

 本年度のチャーター便には名古屋(小牧)への6便が含まれる。名古屋には2003年1月まで定期便が就航していた。FDAは名古屋を実質的な本拠地として名古屋発着路線網を充実させている。

 福島空港の活性化を図るためにはチャーター便だけでなく定期路線の拡大が欠かせない。名古屋や沖縄など、運航形態の工夫などによっては一定の航空需要を確保することができそうな地域へチャーター便の運航実績をつくり定期路線拡大に向けた追い風にしたい。