【9月16日付社説】福島―米沢間開通へ/中央道効果フルに生かそう

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 開通がもたらす効果が最大になるよう利活用に知恵を絞りたい。

 東北中央道の福島大笹生―米沢北(山形県米沢市)間(35.6キロ)が11月4日に開通する。

 東北中央道は相馬市を起点に、秋田県横手市まで総延長268キロの高規格幹線道路。県内では相馬―福島間が国の復興支援道路として整備されており、既に一部が開通、2020年度の全線開通を目指している。今回の開通区間は1998年の施行命令から19年を経ての待望の開通である。

 ヒトやモノの流れを支える交通ネットワークの拡大を、産業や観光の振興のために確実に役立てていくことが大切だ。

 現道である国道13号の栗子峠は急勾配や急カーブが連続する上、冬期間は降雪量が多く、難所として知られている。

 2016年度は雪による立ち往生が計130台に上り、東北地方で国が直轄する国道での立ち往生件数の約8割を占めた。また、大雨などによる通行止めも年平均4回発生、本県と山形県をつなぐ交通の要衝としての安全性と信頼性の改善が課題となっていた。

 課題解消の立役者といえるのが県境の栗子峠に造られた栗子トンネルだ。総延長は福島大笹生―米沢北間の4分の1にあたる8972メートルに及び、道路のトンネルでは東北最長となる。開通日まで2カ月を切っている。「雪に強く、信頼性の高い道路」という建設コンセプト通りの道路が完成するよう詰めの作業を急いでほしい。

 国交省によると、国道13号では福島、米沢両市役所間の所要時間は約1時間だが、中央道を使えば約40分となる。今回の開通区間は高速道路会社ではなく国が直轄で整備したため無料で通行できる。

 中央道が開通するメリットをどう生かしていくか。道路というハードを有効に活用するためには、ソフトである施策を整えなければ成果は十分には得られない。

 開通を見据えて、県内では福島市や相馬市などで、交流人口拡大や産業振興に向けての取り組みが始まっているが、すそ野への広がりはまだまだ不十分だ。

 今回の開通に関しては開通区間が山形県の南の玄関口にあたることから同県、とくに米沢市など県南部での期待感が大きい。

 これまでも米沢市と福島市などの間では国道13号を利用して買い物やレジャーに多くの行き来があったが中央道開通後はどうなるか。開通によって経済圏や観光圏が広がる恩恵を福島、山形両県の県民や企業が享受できるよう方策を練っていかなければならない。