【9月19日付社説】歯の健康/毎日のケアは体守る第一歩

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 歯の健康は、生涯にわたって健やかな生活を送るために欠かせない。すべての人が歯を大切にする意識を高めたい。

 県は、歯や口内の病気予防に向け虫歯のない子どもの割合などの目標値を示した「第3次県歯っぴいライフ8020運動推進計画」の中間評価を発表した。2022年度までに達成を目指している全33項目のうち、約8割の26項目が未達成だった。

 虫歯のない子どもの割合は改善傾向にはあるが、5歳児で51.1%(目標70%)、12歳児で60.2%(同65%)など目標に届いていない。40代以上の人が持つ歯の数も、全国平均より少ないのが現状だ。

 県は、計画の目標値を乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期に分けて設定している。年代に合わせて効果的な対策を進め、目標を達成することが求められる。そのためには家庭や学校、職場などでの一人一人の取り組みが重要だ。

 とりわけ大切なのは子ども時代だ。乳歯のときに虫歯菌が多いと永久歯になっても虫歯になりやすいことが分かっている。保護者は、食後の歯磨きを習慣化させるのはもちろん、仕上げ磨きをしてあげるなど子どもの歯が健康に保てるように努めてほしい。

 県は、歯を強くして虫歯を予防する効果がある「フッ素」が入った水で口をゆすぐ「フッ化物洗口」を推奨している。教育現場などで実践する場合には県が費用を助成しているが、昨年度の利用は26市町村にとどまった。各市町村は積極的に導入を検討すべきだ。

 県の中間報告では、虫歯や歯周病などにかかっていても治療をしていない40歳の割合は62.5%で、目標とする10%との差が大きいことも分かった。定期的に歯科検診や歯石除去を受けている40歳と50歳の割合も15.3%で、目標の30%の半分ほどにとどまる。

 働く世代の人たちに歯の治療や定期健診への関心を持ってもらうことが課題だ。各保健所は歯科衛生士を職場に派遣し、歯や口内の健康について解説する出前講座を行っている。企業は社員の健康増進を図る「健康経営」の一環として利用してみてはどうだろうか。

 日本口腔保健協会は、歯周病が糖尿病や心臓病などのリスクを高めると指摘している。食べ物をかむ機能が衰えると食欲がなくなって体力が低下し、介護が必要になりやすくなるという研究もある。

 歯の健康は、体全体に影響を及ぼす。歯を失ってから後悔しないためにも、歯の手入れの大切さをあらためてかみしめ、病気の予防や早期治療を心がけたい。