【9月22日付社説】教員の長時間勤務/教育現場にも働き方改革を

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 先生が健康でなければ、肝心の授業や生徒指導がおろそかになる。仕事の在り方を検討し、長時間勤務の是正を図りたい。

 県教委は、県内公立学校の教員を対象にした勤務実態調査の結果を公表した。校内での勤務時間が週60時間以上の教諭は小学校で38.4%、中学校で68.9%、高校は45.3%に上った。

 週40時間までとする労働基準法に基づくと、これらの教諭は週20時間以上の時間外労働をしていることになり、月80時間が目安の「過労死ライン」に達する。

 平日の正規勤務時間外で最も時間を割いた業務内容は、小学校では「成績処理」、中高は「部活動・クラブ活動」が最多だった。中高の教諭の20%近くは、土日も部活動の指導を行っていた。

 ゆとり教育からの転換で授業が増えたことが背景にある。土日は自宅に仕事を持ち帰る教員も少なくない。さらに中高では部活の顧問になっている教員も多く、大会に向けた指導に追われている。

 負担を軽減するために外部人材の活用や、仕事内容の見直しといった手だてを講じる必要がある。  部活動については、スポーツや文化活動に携わる地域の人が「部活動指導員」になり、練習の指導や大会への引率ができる制度が本年度から始まった。県教委によると、県内ではまだ導入している学校はないというが、活用すれば競技力向上も期待できるはずだ。

 栃木県日光市教委は、教員をサポートする臨時職員「学級事務支援員」を小学校に配置し、配布物の印刷や提出物のチェック、アンケートの集計などを任せている。同市教委は「教員がこまごまとした業務に関わる時間を削減でき、仕事が効率化できた」としている。

 文部科学省は同様の取り組みを全国の小中学校で展開する考えで、来年度予算の概算要求に都道府県教委への人件費補助を盛り込んだ。積極的に活用し、教員の専門性を高めることにもつなげたい。

 県教委は、教員の長時間勤務解消に向けたアクションプランを本年度中に策定する。過剰な会議や事務作業を精査するとともに、調査で浮き彫りになった教頭の長時間勤務の是正に向けても校務の分担などを検討することが必要だ。

 学力向上や体力強化のための指導に加え、いじめや不登校への対応など教員の仕事は複雑・多様化している。すべてを学校任せにはできない。

 学習の習慣付けやしつけなど教育の基本は家庭にある。学校と家庭の両輪をしっかり機能させ、子どもたちの教育の質を高めたい。