【9月27日付社説】県警の高齢者対策/縦・横連携強め最大の効果を

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 高齢化が進む中、年を重ねても事件や事故に巻き込まれず、安心して暮らせる社会をつくりたい。

 県警はこれまで部署ごとに取り組んできた高齢者の交通安全、防犯、防災などの対策について、各部署が横断的に取り組む態勢を整える。縦割りになりがちだった従来の取り組みを見直し、効果的な対策を図るのが狙いで、今後、具体的な推進計画を策定する。

 高齢者が交通事故に遭ったり、なりすまし詐欺などの被害に遭ったりする事案は後を絶たない。ほかにも認知症患者の行方不明や、1人暮らし高齢者の安全確保など課題は多い。こうした課題を解決するためには、すべての部署が連携を強め、多方面から対応していくことが必要だ。県警本部の各部署と一線署が情報をしっかり分析し、共有することで、相乗効果を発揮するよう求めたい。

 県のまとめによると、9月1日現在の県人口は約188万2000人。このうち65歳以上が約56万1000人で、高齢者が約3割を占める。高齢者人口は今後も毎年1万人のペースで増えることが見込まれており、高齢者対策は安全で安心な県づくりの鍵を握る。

 特に力を入れなければならないのが交通事故対策だ。例年、県内の交通事故で亡くなっている人のうち65歳以上の高齢者は約半数を占める。昨年は亡くなった90人のうち41人が高齢者だった。被害者ばかりでなく事故の加害者になるケースも増えている。

 なりすまし詐欺は被害が減少傾向にあるとはいえ、昨年の被害は101件、総額3億831万円にも上った。被害者は高齢者が約7割を占め、決して油断できない。

 交通と生活安全、刑事の各部署が連携し、一体的な啓発活動を行っていくことが必要だ。老人クラブの講習会や地域の集会など高齢者が多く集まる機会を捉え、より強い注意喚起をしていきたい。

 高齢化が進むにつれ、万引などで摘発される高齢者も増えている。背景には貧困などの問題もあるとみられており、困窮した高齢者には生活保護を受けてもらうなどして犯罪を防げるようなケースもある。県警と自治体、福祉関係機関などが連携を深めながら対策を講じていくことが欠かせない。

 秋田県警では本年度、「高齢者対策室」を設置、警察内の各部署に加え、行政機関や企業などと連携を強めている。同県警は「高齢者に特化した対策に腰を据えて取り組む態勢ができた」としている。こうした先進的な取り組みを参考にしながら、本県の実情に合った対策を着実に進めていきたい。