【9月30日付社説】復興応援企画/誤解と偏見解かねばならぬ

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 大阪から鹿児島まで14生協でつくるグリーンコープ連合(本部・福岡市、組合員約40万世帯)が展開する東日本大震災の復興応援企画で、被災3県のうち本県の商品が除外されていることが分かった。

 同連合は、本県を除外した理由について「福島県とつながりがない」としているが、昨年夏の震災復興企画ではギフトカタログから本県を除外した上、「東北5県」と記載。県内外から風評被害を助長しかねないとの抗議が相次いだため謝罪した経緯がある。

 応援という行為は善意の意志に基づく自発的なものであり、本県を応援するかどうかについてとやかく言うつもりはない。しかし除外の背景に東京電力福島第1原発事故に伴う県産品への誤解と偏見があるとすれば遺憾であり、その認識は正してもらう必要がある。

 同じ福岡県でもエフコープ生協(組合員約48万人)はコープふくしまとともに県産品応援フェアを開いている。県生活協同組合連合会がグリーンコープ連合に対して、本県や全国の生協の姿勢が同連合と同じだと誤って捉えられる恐れがあり看過できない―として抗議文を送ったのは当然といえる。

 本県は農林水産物の放射性物質検査を実施しており、市場には国の基準を下回ったものだけが流通している。このうちコメは全量全袋検査を行っており、ほぼ全てが放射性物質を検出できない「検出限界値未満」だったことをあらためて強調しておきたい。

 グリーンコープ連合は扱う商品について1キロ当たり「10ベクレル以下」という独自基準を設けて検査、公表している。本県で使っている機器の検出限界値は25ベクレルだが、県は「国の基準値は100ベクレルであり、十分に低い数値だ」としている。

 県の農林水産物イメージ調査によると、本県が放射性物質検査を行っていることを知らない人の割合は県外で増加傾向にある。阪神圏の場合、2013年11月が3割余だったのが今年2月には5割を超えた。このままでは知らない人が増え続け、県産品に対する誤った認識が定着する可能性がある。

 農林水産省は本年度から県産品の流通実態調査に着手し、文部科学省は来年度予算の概算要求に放射線教育の費用を盛り込むなど、県産品はじめ本県への風評払拭(ふっしょく)や放射線に対する理解を深めるための取り組みが動きだした。

 しかし対策は急がなければならない。県は、国とともにメディアなどによる情報発信の強化はもちろん、現地に赴いての県産品フェアの開催、理解促進活動などありとあらゆる対策を講じるべきだ。