【10月7日付社説】地域貢献大賞/新聞と元気届け復興の力に

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 「新聞の配達を通じて、地域の復興に役に立ちたい」。その気持ちを大切にして、読者に新聞を届け続けていきたい。

 福島民友新聞などを相双地方の読者に届けている九つの新聞販売店が、日本新聞協会の「地域貢献大賞」に輝いた。

 大賞は、地域に密着した活動に取り組んでいる販売店などを対象に、日本新聞協会が毎年1件を選んでいる。9販売店は、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示解除地域で配達を再開し、地域に貢献したことなどが評価された。

 9店のうち福島民友新聞を配達しているのは鈴木新聞舗(浪江町)、塩田新聞店(飯舘村・川俣町山木屋)、松本新聞店(川内村)、岡田新聞店(広野町)、脇沢新聞店(楢葉町)、竜田新聞販売センター(楢葉町)、吉田新聞店(南相馬市小高区)の7店。ほかに浪江新聞販売センター(浪江町)と藤原新聞店(飯舘村)も受賞した。

 未曽有の大災害となった東日本大震災と原発事故は、新聞社と読者との橋渡し役を務める新聞販売店にも容赦なく襲いかかった。とくに全住民が避難を余儀なくされたところでは、地域に根差して活動をしている新聞販売店も同時に業務休止に追い込まれた。

 住民はどれくらい戻るのか。配達を担ってくれる人はいるだろうか。その後、避難指示が解かれた地域では、販売店主らが数多くの不安を抱えながら1店、また1店と配達を再開した。「新聞配達で人とまちを元気にする手伝いをしたい」という言葉に店主らの地域への思いと使命感がにじむ。

 日本新聞協会は選考理由について「特異な状況下で日本が誇る新聞の宅配制度を維持しようとしている」と9店の姿勢をたたえる。日本の戸別配達制度は世界に類をみない。多様で正確な情報を満載した新聞は生活基盤の一つであり、民主主義を支え、地域社会の発展に貢献しているという自負を新聞に携わる者全てが持っている。

 福島県の県民紙である福島民友新聞は、地域社会の中で、新聞社として販売店として、読者と同じ空の下、同じ地面に立って、同じ空気を吸いながら生活し、新聞を作り、届けている。県民と喜怒哀楽をともにしながら明日を切り開こうという理念は不変である。

 15日からは第70回新聞週間が始まる。折から10日には日本の将来を決める衆院選が公示される。読者の信頼にこたえることができるよう新聞の使命と責任をあらためて自覚し、全ての販売店と力を合わせ、新鮮で正確なニュースをいち早く届けていきたい。