【10月11日付社説】衆院選 舌戦スタート/吟味に耐える実ある訴えを

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 第48回衆院選が公示され、22日の投開票日に向けて、12日間にわたる選挙戦が始まった。

 安倍晋三首相による突然の衆院解散以降、新党結成や離合集散の騒動に国民の目は奪われがちだ。しかし選挙の争点をあらためて確認しておきたい。それは約4年10カ月続いてきた安倍政権を継続させることの是非である。

 本県にとっては東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興推進策を問う機会でもある。政党、候補者は具体的な政策を示し、論戦を繰り広げるべきだ。
 「1票の格差」是正のため、福島3区だった西郷村が福島4区に移るなど計97選挙区で区割りが変更された。定数は前回より10削減され、戦後最少の465議席。選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられてから初の衆院選である。

 今回の選挙は、政権継続に自信を深める自民、公明の両与党。「改革保守」を掲げ、政権交代を訴える小池百合子東京都知事が率いる希望の党と日本維新の会。安倍政権を批判し、憲法に基づく政治を主張する立憲民主党や共産、社民両党。政権選択を巡って「3極」が競う構図となる。

 急な衆院選で各党の公約は大急ぎで策定された。政策の肉付けは不十分と言わざるを得ない。各党の公約には聞こえのいい訴えが並ぶが、財政悪化や人口減少、北朝鮮情勢の緊迫化といった難題を前に、責任のある政治が何より求められていることを銘記すべきだ。

 各党は、目指す国や社会の姿と、その実現に向けた説得力のある政策を示し、論戦を深める責務がある。有権者は、各党首や候補者が何を語るのかに耳を澄ませ、その中身を吟味したい。

 県内の五つの小選挙区には、自民、希望、共産、維新、社民の5党と無所属を合わせて前職8、新人9の計17人が立候補した。

 選挙戦で各党、候補者は、復興政策をはじめ本県特有の政策課題や地域の実情を見据えた論点を多角的に示し、有権者の選択に委ねることが大切だ。公約の中身を丁寧に説明することが求められる。

 安倍首相は昨日、福島市での第一声で「東日本大震災時に自民党は野党だった。原点を忘れてはならないとの思いで、福島から選挙戦をスタートする」と述べた。

 震災から6年7カ月。被災地の経済は復興需要がピークを過ぎ、先行きに不安を抱く県民も多い。課題が山積する復興をどう進めていくのか。姿勢と政策が問われるのは安倍政権だけでなく各党、候補者も同じだ。被災地には立ち止まっている余裕など全くない。