【10月14日付社説】衆院選  18歳選挙権/政治に若者の存在感示そう

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 「選挙の結果によって自分たちの生活がどのように変わるのかということを、一人一人が自分のこととして捉えることが大切だと思う」。若者への選挙啓発に取り組む福島大のサークル「福大Voteプロジェクト」の代表で、行政政策学類3年の春菜孝明さんは衆院選への思いを話す。

 衆院が突然解散したため、春菜さんらは事前の啓発活動があまりできず、校内への期日前投票所の設置も間に合わなかった。それでも少しでも投票に行く若者を増やそうと模擬選挙などを企画した。「自分たちの世代の考えを政治に反映させたい」と活動に当たる。

 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて初の衆院選が行われている。日本の針路を決める大切な選挙だ。初めて投票する18歳も含め、若者にはしっかりと1票の権利を行使してほしい。

 18歳と19歳が参加した初の国政選挙は昨年7月の参院選だった。注目された10代の投票率は41.39%で、20代を約8ポイント上回った。ただ、投票した人が半数に届かないというのは好結果と言いがたい。

 少子高齢化が進む日本では、人口が多く投票率も高い高齢者層に政策が手厚くなりがちで、「シルバー民主主義」と指摘される。若者が政治参加をしなければ、この傾向はますます強くなる。

 若者も教育や雇用、子育てなどの政策には無関心ではいられないはずだ。また医療や介護などの社会保障費は年々増えており、その負担が将来、今の若い世代にのしかかってくるという心配もある。

 今回の衆院選では、こうした課題についても各党が公約に盛り込んでいる。若い人にとっては普段は深く考えることのない内容かもしれないが、街頭演説や間もなく届く選挙公報などを通してそれぞれの主張に関心を持ち、未来を託せる投票先を選びたい。

 候補者や政党には、若者にも分かりやすく公約や政策を伝えていくことが求められる。インターネットの会員制交流サイト(SNS)なども有効に活用し、若者に声を届けるための取り組みを強めていかなければならない。

 県選管は、若者向けに選挙の仕組みを解説したパンフレットを作製して高校や大学に発送したほか、来週からはCMの放送を予定している。投票日まで余裕はない。周知に全力を挙げてほしい。

 家庭でも、選挙の意義や古里の未来について話し合う機会を設けたい。若いうちから政治に関心を持つことは、将来にわたって選挙への高い意識を維持することにつながるはずだ。