【10月27日付社説】女性議員/政治に参加しやすい環境を

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 「女性活躍」が求められるのは政治の場も同じだ。女性が政治に参加しやすい環境づくりが急務だ。

 今回の衆院選で当選した女性は47人で、当選者465人に占める割合は10.1%にすぎなかった。女性議員は前回2014年の45人より2人増えたが、過去最多だった09年の54人には届かなかった。

 議会の国際組織である列国議会同盟が1月にまとめたデータによると、世界193カ国の下院(日本では衆院)での女性議員の割合は平均23.4%で、日本はその半分に満たない。世界経済フォーラムの16年版「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本の男女平等の度合いは144カ国中111位で、特に政治参画で遅れている。

 衆院選後、希望の党代表の小池百合子東京都知事は「(女性の活躍を阻む)ガラスの天井の先に鉄の天井があった」と話した。自身の「排除」発言が発端となった衆院選の敗北を「天井」のせいにするのは筋違いといえる。しかし女性の政治進出が進んでいないのは事実であり、天井があるのならば取り払わなければならない。

 女性議員が少ないのは、県内の議会も同様だ。59の市町村議会で女性の割合は7.5%(昨年4月1日現在)にとどまり、全国平均の12.8%を大きく下回る。県内20市町村では女性議員がゼロだ。

 県議は現在55人のうち7人が女性で割合は12.7%。全国平均の9.8%は上回るが、20%前後の京都府や東京都との差は大きい。

 政治の意思決定の場では男性が圧倒的に多い。これでは多様な民意を政策に反映するのが難しい。

 特に近年は、子どもの貧困や介護、待機児童など暮らしに直結する課題が山積しており、解決には幅広い多様な視点が欠かせない。

 なぜ、女性の政治進出は進まないのだろうか。三浦まり上智大教授(政治学)は著書「日本の女性議員」で、日本では政治は男性が担うものといった意識が根強いことや、育児との両立の難しさなどを要因に挙げている。

 こうした現状を変えていくことが必要だ。議会を日曜や夜間に開催したり、育児休業を取りやすい制度をつくったりするなど女性が政治に挑戦したいと思えるような仕組みを整えなければならない。

 すでに、さまざまな分野に女性が進出している。県内でも政治の現場でさらに女性が増えれば、少子高齢化や人口減少など地方が抱える課題解決の糸口も見えてくるだろう。国会、地方議会ともに、より女性の意見を生かすことができる議会にしていくための努力が求められている。