【11月2日付社説】第4次安倍内閣/復興と創生へさらなる力を

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 安倍晋三首相(自民党総裁)が特別国会で第98代首相に選出され、公明党との連立政権となる第4次安倍内閣が発足した。

 わが国は、デフレからの脱却や財政再建、北朝鮮問題などさまざまな課題に直面している。政権が持てる力を出し切り、成果を上げることが、衆院選での国民の選択に応える唯一のすべであることを認識し、堅実な政権運営に取り組んでもらいたい。

 まず優先すべきは経済再生だ。経済政策「アベノミクス」によって円高株安は是正され、雇用や大企業の業績は改善したが、恩恵はいまだ一部にとどまっている。

 アベノミクスを強化することでデフレ脱却を成し遂げて、経済の好循環を実現し、地方や中小企業まで恩恵を行き渡らせなければならない。そのためにはこれまでの政策にこだわらない新しい成長戦略づくりが必要となる。

 与党は、2019年10月の消費税増税時に国の借金返済に充てるはずだった増収分の使い道を変更して、教育無償化や子育て支援を拡充すると表明している。

 ただ、それを実行すれば20年度の基礎的財政収支の黒字化は達成できなくなる。財政健全化に向けた新たな道筋を明確に示して、国会で議論しなければならない。

 衆院選で自公両党は3分の2を超す議席を獲得、首相は引き続き安定的な勢力を確保して、長期政権への基盤を固めた。

 しかし巨大与党の勢力が、数の論理を優先させるようであれば、国民の信頼は得られまい。政権も与党も、丁寧な国会審議に努めるよう求めたい。

 本県にとって最も重要な課題は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の加速だ。

 今回の組閣では、全ての閣僚が再任されたことで、復興に関わる主要ポストも吉野正芳復興相、世耕弘成経済産業相、中川雅治環境相がそれぞれ続投となった。

 復興相は復興政策を一元的に担う責任、経産相は原発の廃炉と汚染水対策の確実な進(しん)捗(ちょく)、環境相は本格稼働し始めた中間貯蔵施設の整備の促進と運営―など、本県の将来を左右する重大な任務を持っていることを改めて認識し、各省庁でリーダーシップを発揮してもらいたい。

 本県の復興を巡っては、原発事故の風評が根強く残る一方で、震災の風化が進んでいるという現実がある。復興を進展させるためには国の力が欠かせない。新内閣には政治の安定を強みに、本県の復興と創生に向けてさらなる施策の充実と強化を望みたい。