【11月4日付社説】東北中央道開通/広域連携強め効果最大限に

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 広域連携を強化し、開通効果を最大限に生かすことが大切だ。

 東北中央道の福島大笹生インターチェンジ(IC、福島市)―米沢北IC(山形県米沢市)間35.6キロがきょう開通する。

 同区間には、無料の自動車専用道路としては日本一の長さとなる栗子トンネル(8972メートル)が整備され、降雪などに左右されず通行が可能になる。開通によって福島、米沢両市役所間の所要時間は約40分となり、国道13号を利用した場合に比べて約20分短縮される。

 時間距離が短くなれば人の交流や、物流の範囲が広がる。沿線の自治体は連携を強め合い、観光や経済などの幅広い分野で相乗効果を上げるよう努めてほしい。

 沿線には、福島、山形両県ともに人気の高い観光地がある。福島市には飯坂、土湯、高湯の各温泉地など、米沢市には山形県内で2番目に観光客数が多い上杉神社がある。両市の観光客を合わせると年間約800万人に上る。

 中央道ではICに近接して道の駅が整備される。米沢中央、霊山両IC付近ではそれぞれ来春開業し、福島大笹生IC近くには2021年度を目標に設けられる。旅先の魅力に手軽に触れることができる道の駅は、観光客の人気がある。広域観光の推進体制に工夫を凝らし、より回遊性を高めていくことが重要だ。

 商工団体や企業などからは、企業間や産学連携による地域経済の波及効果に期待がかかる。

 福島、米沢両市は情報通信機器関連の製造業が集積し、同分野では全国有数の出荷額を誇る。企業同士の連携が進めば部品の調達などで企業の生産が増え、雇用創出の弾みになる。各自治体は、連携を仲介するセミナー開催など企業連携を後押ししたい。

 中央道は、相馬市を起点に、秋田県横手市までを結ぶ総延長268キロの高速道路だ。相馬ICから東北道までの相馬福島道路は復興支援道路として20年度の開通を目指す。相馬市まで開通すれば、重要港湾の相馬港を活用して物流の効率化を図ることができる。国には中央道の整備効果を高めるために、相馬福島道路を目標通りに開通させることが求められる。

 栗子トンネルには「日本一」の長さにふさわしい安全対策が施された。事故や渋滞の有無などを監視するカメラを200メートルごとに設置。本線と並行して設けられた避難用トンネルとは23本の連絡通路で結ばれる。ドライバーにこれらの周知を徹底するなどして、万一の際の安全確保に全力を尽くしてほしい。