【11月8日付社説】相馬LNG基地/復興の核としてフル活用を

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 新地町の相馬港4号ふ頭に液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地を建設している石油資源開発(JAPEX、本社・東京)が、基地建設に合わせて敷設していた相馬―岩沼間のパイプライン(約40キロ)の使用を開始した。

 パイプラインの使用開始は「相馬港LNGプロジェクト」の大きな一歩になる。基地は今月末には完成し、来年3月の操業に向けて試運転が始まる。新地町さらには相馬地域が東日本大震災からの復興を進めるための起爆剤になるよう最大限に生かすべきだ。

 石油資源開発は、新潟県にある基地に続く拠点として新地町の基地を位置付け整備を進めている。国内最大級のタンクを設け、最大で年間100万トンのガスを受け入れる計画だ。LNGを燃料とする火力発電所も建設中で、2020年の営業運転を目指す。

 今回、使用開始したパイプラインは宮城県岩沼市で新潟―仙台間の既存のパイプラインでつながるほか、白石―郡山間に設けられているパイプラインなども活用し、県内外にLNGを供給する。

 石油資源開発によると、これまでパイプラインへのLNG供給は新潟の基地からだけだったが、相馬港からも供給することで、日本海側と太平洋側をつなぐ双方向のネットワークができる。災害時なども含めて安定した運用が可能になる。東日本地域のLNG供給に本県が果たす役割は大きい。

 LNGは火力発電燃料の中で燃焼時のCO2排出量が最も少なく、石炭と比較した場合の排出量は約6割にとどまる。ばいじんもほとんど発生しないことからクリーン燃料とも言われている。

 新地町は、JR新地駅周辺に復興拠点を整備し、商業施設や住宅などを集積する計画だ。復興拠点ではLNGを活用した熱や電気の供給を予定する。

 同町は「環境未来都市」構想を掲げ、環境産業共生型の復興まちづくりを目指している。LNG基地の整備を弾みに、新しいまちづくりや産業再生などを加速させていくことが大切だ。

 来月には海外からのLNG受け入れの第1船が相馬港に到着する予定だ。相馬港は基地整備に伴い船舶の増加が見込まれるため、小名浜港に次いで県内2番目の特定港に指定された。県は相馬港の利活用に一層力を尽くすべきだ。

 LNG基地は福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に盛り込まれている。国には相双地方全体の復興を見据えた、エネルギー関連企業の誘致などの後押しを求めたい。