【11月9日付社説】メタボ高水準/リスク理解し直ちに改善を

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 メタボリック症候群が健康に及ぼすリスクを理解し、生活習慣の改善に直ちに取り組みたい。

 2015年度の特定健診で、メタボリック症候群に該当した県民の割合(メタボ率)が14年度と同じ17・1%だったことが厚生労働省の調査で分かった。全国順位は14年度の全国ワースト2位から3位に一つ良くなったものの、メタボ率の数値は高水準のままだ。

 メタボ率は10年度以降、上昇が続いていた。県は東日本大震災と原発事故の影響で運動量が低下したり、食生活が変化したことが一因とみているが、震災からすでに6年以上が過ぎている。これ以上の悪化は防がなければならない。

 特定健診は40~74歳を対象に行っている。腹囲が、男性は85センチ以上、女性は90センチ以上で、さらに血圧や血糖値、血中脂質のうち二つ以上が基準値を超えればメタボリック症候群に該当する。一つ該当した人も予備群とされる。主な原因は、食べ過ぎや運動不足で蓄積した内臓脂肪だ。

 メタボは心筋梗塞や脳卒中などの引き金となる。これらの病気は初めは自覚症状がないため、症状が表れたときにはすでに進行していることもあり、油断はできない。

 メタボを防ぐ効果的な方法は運動だ。徒歩や自転車での通勤や、エレベーターに乗らずに階段を使うなど、生活にちょっとした運動を取り入れることから始めたい。野菜や魚を取るなどバランスの良い食事も欠かせない。

 県は、運動不足の解消に役立ててもらおうと、日々の歩数や健康関連のイベントに参加することでポイントがたまるスマートフォン向けアプリを公開している。使用法や効果などを広くアピールし、活用してもらうことが大切だ。

 特定健診の受診率の低さも課題だ。15年度の県民の受診率は49.8%で全国平均を0.3ポイント下回った。特に、中小企業の従業員らが加入する協会けんぽは46.8%、自営業や農家の人たちが入る国民健康保険は39.9%と低迷した。

 受診率の低さは、そのままメタボへの関心の低さに直結しているといえる。健診に対する個人の意識を高めるのはもちろん、事業主も従業員に忘れずに受診するよう勧めるなど、企業は「健康経営」に努めてもらいたい。

 県内では、肥満傾向にある子どもの割合も依然として全国平均を上回っている。子どもの肥満は、大人になってからメタボにつながる恐れがある。家庭や学校で、小さいうちから日頃の運動とバランスの取れた食生活をするよう習慣付けたい。