【11月21日付社説】福島市長に木幡氏/県都再生へ確かな舵取りを

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 福島市の向こう4年間の舵(かじ)取り役を担う新しい市長として、新人で復興庁福島復興局長を務めた木幡浩氏が選ばれた。

 東日本大震災と原発事故の発生から2度目となる今回の福島市長選。現職に新人3人が挑む構図となり、市政の刷新を訴えた木幡氏が、現職の再選を阻んだ。

 山積する同市の課題にしっかりと向き合いながら、市民本位の市政運営に力を注ぎ、県都のリーダーとして有権者の負託と期待にこたえてもらいたい。

 福島市長選で4人が立候補したのは1967年の第6回、2005年の第16回に続き3度目で、各陣営は混戦を制すべく、激しい戦いを繰り広げた。

 その一方で、各候補の主張には大きな違いが見いだしにくく、有権者の関心は各陣営の盛り上がりほどは高まらなかった。その結果であろう。投票率は47.92%と、前回の1.18ポイント下回り過去4番目の低い数字となった。

 今回は、福島市長選として初めて「18歳選挙権」が適用された選挙だった。年代別の投票率が明らかになるのは後日となるが、市選管は、10代をはじめ各年代の投票動向を詳しく分析し、低迷する投票率の向上に向けて啓発活動などに工夫を凝らすことが必要だ。

 木幡氏は選挙戦で、「スピードと実行」をキャッチフレーズに、県内で最も多い待機児童の解消や、福島駅前の中心市街地の再生、産業と観光の一体的な振興などを訴えた。

 選挙戦で木幡氏は新人という立場ではあったが、有権者には、徳島市財政部長や香川県政策部長、岡山県副知事など豊富な行政経験が、市政を託す上での判断材料として強く働いた可能性がある。

 つまり即戦力としての期待である。福島市が抱える課題の解消は急務であり、まさに同氏が掲げるスピードと実行力が求められている。「他の県庁所在地より2周遅れ」とも揶揄(やゆ)される現状を変えることができるか。早速、手腕が問われることになる。

 福島市を巡る状況は決して悪くない。東北中央道は福島大笹生―米沢北間が今月開通し、来春には中核市への移行を控える。2020年の東京五輪では野球・ソフトボールも開催される。

 福島市に吹くこれらの上昇気流を上手に活用し、さらに上昇していくためには何をすべきか。市民の声に耳を傾けながら、福島市の明日を切り開いていくための施策をより具体的に示し、市民とともに県都にふさわしいまちづくりに全力を挙げることが重要だ。