【12月6日付社説】「健康経営」促進/職場から生活習慣の改善を

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 企業が成長するためには従業員が健康であることが欠かせない。それぞれの職場で生活習慣の改善に取り組む環境を整えたい。

 県民の健康指標の悪化が深刻だ。県内でメタボリック症候群と診断された男女の割合は全国ワースト3位で、急性心筋梗塞の死亡率は同1位などとなっている。

 健康に暮らすためには、生活習慣を見直すことが大切だが、県政世論調査によると県民の4割強が運動などの必要性を感じていながらも「ほとんど実践できていない」と答えている。理由については「仕事や家事などで時間がない」が6割弱で最多だった。

 多くの人は、職場で一日の大半を過ごしている。そうした身近な場所で、健康づくりへの取り組みを進めていくことが重要だ。

 社会で健康志向が高まる中、「健康経営」という言葉を聞くことが増えてきた。従業員の健康管理に主眼を置いて、職場環境や働き方を変える経営手法のことだ。

 県内でも、すでに一部の企業が健康経営の取り組みを始めている。社員食堂で減塩食を提供したり、就業中にストレッチ体操を導入したりしている。

 県も、各企業に取り入れてもらおうと、スニーカーを履いて徒歩で通勤する「ウオークビズ」や、立ったままで打ち合わせなどを行う「立ち会議」を提唱している。

 できることから職場で実践することで、従業員の生活習慣の改善につながるはずだ。健康経営のメリットは、さらにある。従業員が健康であれば生産性が高まり、企業の業績が上がる。企業イメージの向上や医療費の抑制にもつながる。各企業は健康経営の導入を積極的に検討してほしい。

 健康経営は比較的新しい考え方であり、導入に前向きな企業でもノウハウや費用が課題になっているといった声も聞こえてくる。浸透させるためには、取り組みやすい実践例を見いだし、各企業に広げていく必要がある。

 県は、健康経営の普及を目的にしたモデル事業を始めた。土木・建設や運送、小売業などの7社をモデル企業に選んだ。各企業では就業前に体操を行うなど従業員の運動習慣の定着を図るほか、職場に体重計・血圧計を設置するなどして肥満や高血圧の改善を目指す。県は、保健師や提携する生保会社の健康経営アドバイザーを派遣して各企業に助言する。

 県は、企業が参考にできる健康経営の実践法を探ってほしい。経営者と従業員が「健康であることも仕事のうち」という考えを共有できるようにすることが大切だ。