【1月4日付社説】外国人旅行者/誘客増へ戦略に工夫凝らせ

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 「観光立県ふくしま」の実現に向けて、外国人旅行者の受け入れ態勢の整備に一層力を入れたい。

 JTBが昨年末に発表した2018年の旅行動向見通しによると、外国人旅行者数は17年に比べて1割以上多い年間3200万人になると予測する。

 政府は、観光を成長戦略の一つに位置付け、20年の外国人旅行者を年間4千万人に、30年には6千万人に増やす目標を掲げている。JTBの見通しは、今年もこの目標に向かって旅行者が順調に増えることを示すものといえる。

 観光産業は、宿泊、旅行業だけでなく、本県の基幹産業である農林水産、製造、運輸業などと密接な関係を持つ総合産業であり、雇用拡大や経済活性化につながる。
 本県の産業再生を加速するためには、国内観光客とともに、伸びしろが大きい外国人旅行者の誘客に積極的に取り組む必要がある。

 国土交通省は昨年12月、東北における外国人旅行者増に向けて官民の戦略会議を仙台市で開き、20年東京五輪・パラリンピックや復興・創生期間後を見据えた誘客の基本方針案を示した。

 政府は20年に東北の外国人延べ宿泊者を15年の3倍にあたる150万人まで増やす目標を掲げており、基本方針案には、季節ごとに共通テーマを設けての情報発信や、物語性のある滞在プランの開発などを盛り込んだ。

 観光庁の宿泊旅行統計によると16年に東北に泊まった外国人旅行者は延べ約65万人で、全国に占める割合は1%に満たない。伸び率も全国が震災前(10年)の150%増となる中、東北は28%増という状況だ。本県も回復しつつあるが震災前の水準に戻っていない。

 外国人旅行者の拡大に向けては6県がスクラムを組んで戦略的に誘客に努めるとともに、東北の南の玄関口である本県としてはより存在感を打ち出すことが求められる。そのためには本県が持つ豊富な観光資源と優れた交通環境をアピールしていくことが重要だ。

 今年は外国人旅行者のさらなる増加に備えて、新たな制度の導入などが相次ぐ。4日からは「改正通訳案内士法」が施行され、これまで必要だった国家資格がなくても、有料で外国人旅行者向けの通訳ガイドができるようになった。

 また、6月には一般住宅に有料で旅行者を泊める「民泊」を全国で解禁する「住宅宿泊事業法」(民泊法)が施行される。

 外国人旅行者をスムーズに迎えるためには、新しいルールなどにも目配りを欠かさず、しっかり対応していくことが肝心だ。