【1月5日付社説】子どもの肥満/生活改善へ親が手本示そう

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 子どもが生涯にわたって健康な生活を送るため、幼児期からの肥満対策に、より一層力を入れていかなければならない。

 県内で肥満傾向にある子ども(5~17歳)の割合は、依然として高水準にある。文部科学省の2017年度学校保健統計調査(速報値)によると、県内で標準体重より20%以上重い「肥満傾向児」の割合は男子の5、8、10歳と、女子の5、11、14歳で全国ワースト1位だった。ほかの年代でも17歳男子を除いて、全国平均より肥満傾向の割合が高くなっている。

 県内の子どもの肥満傾向は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後から顕著になった。県教委は、原発事故による屋外活動の制限などにより、子どもたちに体を動かす習慣が身に付かなかったことが一因としている。しかし原発事故からは既に6年以上がたち、現在は子どもを取り巻く環境は震災前とほとんど変わらない。

 それなのになぜ、いまもなお肥満傾向が続いているのか。県教委は原因をしっかり分析し、子どもの家庭と協力しながら効果的な対策を行っていく必要がある。

 子どもの頃に太っていると大人になっても肥満になりやすく、糖尿病や高血圧など慢性疾患にかかるリスクが大きくなる。過度な肥満の子は早い段階で体重を減らすことが重要だ。そのためにも栄養バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠といった生活習慣を子どもたちに身に付けさせなければならない。

 子どもたちが健康的な生活を送るためには学校での指導も必要だが、何よりも各家庭での取り組みが大切となる。子どもは親の運動不足や、偏った食生活などの影響を受けやすいためだ。親が生活習慣を見直すことで、子どもにも好影響をもたらしたい。

 まずは休日に家族みんなでスポーツや山登りなどをして体を動かし、手作りのお弁当を食べることから始めてみてはどうだろうか。

 県民の健康指標は急性心筋梗塞による死亡率が全国ワースト1位、メタボリック症候群の割合が全国ワースト3位になるなど悪化が目立っている。15年の平均寿命は、本県は全国で男性がワースト7位、女性はワースト5位だった。

 肥満は、本県が抱えるこうした課題の要因になっている。子どもの時から、しっかり食べて運動するバランスの良い生活習慣を定着させることは、大人になってからの健康な生活にもつながる。家庭や学校、地域が手を組み、長期的な視点に立って子どもの肥満改善に取り組みたい。