【4月17日付社説】GAPの推進/「日本一」実現へアクセルを

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 磐城農高、白河実高、耶麻農高が農業生産工程管理「GAP(ギャップ)」の日本版である「JGAP」を相次いで取得した。

 本県は昨年5月、GAPの取得促進に向けて、「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行った。3校の取得は導入促進へのシンボルとなるものだ。宣言2年目の取り組みに向けて勢いをつけたい。

 GAPは環境に配慮し安全性の高い農産物を作ることができる農場にお墨付きを与える制度だ。2020年東京五輪・パラリンピックの選手村などで使う食材調達の要件となるとともに、輸出促進や消費者の信頼獲得にも役立つ。

 GAPの種類は、3校が取得したJGAPのほか、国際版の「グローバルGAP」と、アジア版、さらに昨年夏から始まった県版の「FGAP」がある。できるところから取得に挑み、ステップアップを図ることが重要だ。

 県によると、3月20日現在の取得状況は、国際版が16件、アジア版2件、日本版14件、県版5件の計37件。このほか昨年度末に認証されたところも多く、さらに相当数が上積みされる見通しだ。

 県は20年度までに、国際、アジア、日本の各版で141件、県版で220件の取得を目標に掲げ、取得数「日本一」を目指す。日本一の座を確実に得るために、取得の取り組みを加速させていかなければならない。

 日本一に向けた課題の一つは、これまでに認証を得た生産者の多くが個人や法人である点だ。県産品を売り込んでいくためには「質」とともに「量」も必要となる。JAの部会など生産者団体のより多くの取り組みが求められる。

 県内の高校では3校のほか、会津農林が国際版、福島明成、安達東、小野、相馬農の各校が日本版の取得を目指している。
 取得は、国際的な経営管理を身に付けたり、IT活用の営農管理を学んだりする絶好の実践教材となる。何より農業の明日を支える若者が取得を目指す姿勢が他の農業者の励みにもなるだろう。農業系高校全てで挑戦してほしい。

 五輪の食材調達要件となっているGAPだが、生産者以外の認知度は低い。食品関連企業を対象に日本政策金融公庫が1月に行った調査では約半数が「知らない」と答えた。消費者は、アジアGAP総合研究所が行った昨年の調査になるが、「知らない」と答えた人が6割近くに上る。

 手間をかけて取得に取り組む生産者や高校生らを励ますためにもGAPの内容を知ってもらうための取り組みを県には望みたい。