【7月5日付社説】認知症サポーター/地域に応援の輪を広げよう

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 認知症の正しい知識を持ち、当事者や家族を支援するボランティア「認知症サポーター」の数が全国で延べ1000万人を超えた。本県も増えているが先進県の水準までには達していない。

 認知症の人と家族が、安心して暮らしていくことができるよう、地域で見守る「応援者」の輪を広げていきたい。

 サポーターの養成に携わっている全国キャラバン・メイト連絡協議会(東京)の集計によると、全国のサポーターは3月末時点で、講師役のキャラバン・メイトを含め約1015万人に上った。

 2025年に高齢者の5人に1人に当たる約700万人が認知症になるとの推計がある中、地域や職場で当事者、家族を支える役割への理解が進んだとみられる。

 政府は認知症の人も住みやすいまちづくりに向け、20年度末までにサポーターを1200万人養成することを目指す。1000万人超えをバネにさらなる増加を図るとともに、知識習得だけに終わらせず地域での活用が求められる。

 サポーターの取り組みは05年度に厚生労働省が「痴呆(ちほう)」から「認知症」と呼称を改めたのを機に行ったキャンペーンの一環で始まった。1人で講習を複数回受ける例もあるが、単純計算で国民12人に1人が受講した形だ。自治体が中心に養成したのは約957万人で、残りは企業などが養成した。

 県内のサポーター数は16万人余で、2年前に比べて5万人近く増えた。しかし人口に占めるサポーター数の割合は約8%で、全国平均をやや上回っているものの、熊本県の約17%や福井県の約15%などと比べると大きな開きがある。

 高齢社会を迎え、認知症は誰にとっても身近な病になっている。認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会をつくるためには、一人一人が対策の担い手となって、認知症の人や家族を支えていくことが必要になる。サポーターになることはその一歩を踏み出すことになる。

 サポーターになるには、自治体や学校、老人クラブ、企業などが開く無料の「認知症サポーター養成講座」を90分間程度受講する。年齢制限はなく、19歳以下のサポーターも全国で210万人を超えている。さらに詳しい知識を学ぶステップアップ講座もある。

 県は「県版オレンジプラン」の中で、20年度末のサポーター数を「18万7400人以上」とする目標を掲げる。認知症の人や高齢者に優しい地域づくりのバロメーターになるとの意識を持ち、サポーターを増やしていきたい。