【7月10日付社説】西日本豪雨/地域問わず起き得る災害だ

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 西日本を中心に発達した梅雨前線がもたらした豪雨は、死者100人を超える大災害になった。

 各地ではいまだ行方不明者の捜索も続く。大雨が地下に浸透すると、雨がやんでしばらくたってから斜面が崩れることがある。関係者はくれぐれも二次災害に巻き込まれることのないよう、慎重、着実に作業を進めてもらいたい。

 被災地や避難所に要支援者が取り残されていないかどうかも気掛かりだ。被災者や行政担当者は心身ともに疲弊している。全国から救援チームや民間ボランティアが入り始めたが、関係者が効率よく連携し支援態勢を整えてほしい。

 今回の大雨では、台風7号の通過と、その後、列島を横切る梅雨前線の停滞によって、暖かく湿った大気が延々と流れ込んだ。「大雨特別警報」は6日から8日にかけて中部、近畿、中国、四国、九州の1府10県に及んだ。

 降り始めからの降雨量も大雨の範囲も、気象庁が言う通り、通常の警報基準をはるかに超える「数十年に1度、これまでに経験したことのない」もので、これまでの集中豪雨とは違っていた。

 ただ、多くの人が感じているように、近年の日本の雨の降り方は明らかに変わった。同様の豪雨災害が地域を問わず、いつでも起こり得ると認識して、対応策を急がなければならない。

 早くから警戒していたのに、なぜこれほど多くの犠牲を出してしまったのか。防災関係機関は、教訓を十分に引き出し、今後の取り組みに生かすことが重要だ。

 中でも、国の非常災害対策本部設置が、各地に特別警報が出始めてから3日目の8日だったのは、いかにも遅いと感じる。大雨特別警報を連日発表していた気象庁と、切迫感を共有していたのか、官邸の危機管理が問われよう。対応の詳細が国会で明らかにされ、より迅速、適切な対応に改められることを望みたい。

 他方、被災自治体も、事態が落ち着いた後には、情報発信や避難を促す取り組みが十分だったかを検証する必要がある。被災者、犠牲者には、高齢者ら災害弱者も目立った。緊急事態をあらかじめ想定し、地域で声を掛け合い、早期避難することなどを周知したい。

 被災地の多くは、ハザードマップで危険性が指摘されていた。地域で語り継がれてきた水害や土砂災害の歴史を学ぶことも大切だろう。地元に起き得る災害の種類、危険箇所を知ることで、いざというときにいち早く命を守る行動を起こせる。災害を「わがこと」と捉えて備えることが肝心だ。