【7月11日付社説】地域運営学校/学びと成長支える最善策を

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 子どもたちの学びと成長を支えるとともに、地域の活性化につながるような学校と地域の在り方を共に考え、実現を目指したい。

 少子化などで子どもたちを巡る教育環境が変化する中、文部科学省は、地域ぐるみで学校教育を支援する「コミュニティースクール(地域運営学校)」制度を導入した。同省によると、県内では4月1日現在、公立の小中高校、特別支援学校、幼稚園などの4・9%に当たる45校で導入されている。前年より12校増加したが、導入率は全国平均の14・7%を下回っているのが現状だ。

 教職員の負担増への懸念や、各校に設置する学校運営協議会の委員として活動してもらえる住民が少ないといったことが、伸び悩んでいる背景にあるとみられる。

 しかし、地域の力を借りて多様な教育を行うことは子どもの好奇心や可能性とともに、古里への愛着心を育てることにつながる。地域にとっても、授業やまちづくりで学校と連携することで活性化が期待できる。各教委や学校はコミュニティースクールの導入について理解を深めてほしい。

 コミュニティースクールは、住民や保護者らで構成する学校運営協議会を各校に設置し、学校の運営方針などに住民らの要望や意見を反映させる取り組みだ。昨年の地方教育行政法の改正で、導入が教育委員会の努力義務となり、全国で導入の動きが広がっている。

 県内では郡山や三春、天栄など11市町村が導入している。協議会での意見を基に、地域の高齢者とのスポーツ交流会を開いたり、郷土芸能の授業をしたりと、さまざまな取り組みが行われている。

 1校ごとに協議会を設けるのではなく、複数の学校を合わせて一つの協議会を設置している自治体もある。磐梯町では幼稚園と小中学校の計4校、同じく大玉村では5校を合わせた協議会を設置し、運営の効率化を図っている。両町村のように地域の実情に合わせた設置の在り方を学校と地域で探っていくことが重要だ。

 コミュニティースクールの設置は小中学校だけではない。全国の高校での導入数は382校で、この1年間で約6倍に増えたが、県内での導入例はない。生徒が勉強や部活に忙しかったり、小中学校に比べて地域との関わりが薄いなどの要因が考えられる。

 しかし、例えば地域の経済団体などに協議会に入ってもらえればキャリア教育の充実にも役立つだろう。学校と地域の双方に利点が生まれるよう導入の必要性などについて意見を交わしてほしい。