【7月13日付社説】自然塾あす開校/地球に触れ環境学ぶ拠点に

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 「奇跡の星」と言われる地球。この美しい惑星を未来に引き継いでいくために何をすべきか。一人一人が考え学ぶ拠点となる。

 脚本家の倉本聰さんを塾長に、北海道富良野市などで展開している自然環境体験プロジェクト「富良野自然塾」の裏磐梯校が14日、北塩原村に開校する。

 自然塾は、趣向の異なる四つの体験型プログラムを通して、参加者に環境の大切さを学び実感してもらおうという取り組みだ。人は、空気や水など自然からさまざまな恵みを受けて生きている。緑豊かな裏磐梯を教室に、より多くの人たちに自然の尊さを再認識してもらう場となるよう期待したい。

 「私たちが生きるために必要なものは何だろうか」。最初のプログラム「緑の教室」はインストラクターが投げ掛ける問いから始まる。続く「石の地球」では、地球を約1300万分の1の大きさにした模型などを使いながら、木や水がいかに貴重なものかを学ぶ。

 地球は、太陽からほど良い距離にあり、大気と水のバランスが絶妙だったことから生命が生まれ、育まれた。プログラムからは地球の奇跡に思いをはせる発見をたくさん得ることができるだろう。

 「地球の道」は地球誕生から46億年の歴史について460メートルの道を歩きながら学ぶ。1メートル歩くと、歴史が1千万年分進んだ計算となる。道の脇には、誕生時の熱いマグマや、氷河期の凍り付いた風景などを表現した展示物が年代に合わせて設置されている。

 先に進めば、地球は気候変動を繰り返して現在の姿になったことが分かる。しかし、今、地球を脅かしている温暖化は自然の営みではなく、温室効果ガスの排出による影響が大きいとされる。

 「地球の道」では人間の祖先であるホモ・サピエンスが出現してから現代までは2センチの長さしかない。地球上では「新参者」でしかない人間が環境に大きな打撃を与えている。これから先の道をつくるのは今を生きる自分たちなのだとの意識を持ち、環境と正面から向き合っていくことが大切だ。

 最後のプログラムは、目隠しをし、はだしで芝生や砂利などの上を歩く「裸足(はだし)の道」。五感を研ぎ澄ませば、足に伝わる感触だけでなく、鳥の声や風の音、さらに森の香りさえも感じられる。人間も地球とともに生きていることを全身で理解できるはずだ。

 磐梯山は噴火から15日で130年を迎える。裏磐梯の地に開設される自然塾ならではの特徴を加えながら、環境教育の場としての存在感を高めていってもらいたい。