【7月24日付社説】東京五輪まで2年/未来への遺産を生み出そう

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 2020年東京五輪の開幕まであと2年となった。真っ先に競技が始まる開催地として準備を加速させるとともに、復興が進む本県の姿を広く発信することができるよう機運を高めていきたい。

 東京五輪は、東京を中心に本県など9都道県42会場で、史上最多の33競技、339種目が行われる。その戦いの火ぶたを切るのが、福島市のあづま球場で行われるソフトボールの開幕戦だ。7月24日の開会式に先駆けて、22日午前10時に日本戦で競技がスタートする。29日には野球の開幕戦もある。

 大会に向けて県は、11月から同球場の改修に着手する。機能性の向上と老朽化対策、バリアフリー化が大きな柱で、内外野の人工芝化、車いす用昇降機の設置などに取り組み、来年9月末の完了を目指す。競技開催へ万全な体制を整えて、成功を期したい。

 この夏、東京五輪の課題として急浮上しているのが暑さ対策だ。全国有数の暑さで知られる福島市である。猛暑は2年後も必ずやって来ると想定して、多様な対策を講じていかなければならない。

 東京五輪は「復興五輪」を掲げており、理念の具現化として、競技開始とともに、聖火リレー出発地に選ばれた。県は年内にリレーのルート案をまとめる予定だ。県内全域を巡るルートの設定を望む声にこたえることができるよう重ねて工夫を求めたい。

 本県としては、東日本大震災と原発事故の発生後、各国から寄せられた支援に感謝するとともに、復興の状況を世界に伝え、知ってもらう機会にすることも重要だ。

 県内では、海外の選手らと地域住民が交流する「ホストタウン」に6市町が登録。震災の被災県を対象に要件を緩和した「復興『ありがとう』ホストタウン」には4市村が登録、1市が申請中だ。ホストタウンは大会前の交流だけでなく、その後の地域活性化や観光振興への波及効果も期待できる。事前合宿地としての誘致を含め、より多くの自治体が名乗りを上げて選手たちを歓迎したい。

 県はきょう、競技運営と情報発信に向けた官民の推進組織「東京五輪・パラリンピック復興ふくしま推進会議」を開き、五輪を契機にしたレガシー(遺産)の創出についての事例発表などを行う。

 県内では、今秋にもボランティアの募集が始まる。選手村での食材調達要件となる農業生産の第三者認証「GAP」の取得に取り組む生産者も増えている。震災から10年目の節目に開かれる五輪で、さまざまなレガシーが県と県民一人一人に残るようにしたい。