【7月26日付社説】福島空港沖縄線/早期復活へ交流深化させよ

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 キーワードである「双方向」を一つでも多く積み重ねることで、定期路線の復活を実現させたい。

 福島空港と沖縄・那覇空港を結ぶ定期路線復活に向けた福島、沖縄両県の官民組織「うつくしま・ちゅらしま交流・福島空港利用促進連絡会」の設立総会が開かれ、取り組みが本格始動した。

 連絡会には、両県と、相互交流関係にある市町村、経済・観光団体など46団体が加盟した。両県が連携して設置する初めての組織であり、発足を契機に交流を深化させていきたい。

 福島―沖縄線は1994年9月から日本航空(JAL)グループが運航を開始。年間7万人近くが利用する「看板路線」となり、平均搭乗率は路線維持の目安とされる6割を超えていた。

 しかし同線は2009年1月、JALの経営悪化などによる路線整理の影響で廃止された。一定の搭乗率が確保されながら、廃止対象になった背景には、本県からの利用が9割を超え、沖縄からの利用は1割に満たないという「非対称」な利用状況があった。

 路線復活に向けては、この非対称を解消することが最大の課題であり、連絡会設立の意義もそこにある。双方向の交流を促進することで需要を掘り起こして路線を復活させ、維持する―という好循環を生み出すためには、両県の加盟団体が、それぞれの立場で実績を積み重ねていくことが必要だ。

 双方向の利用という点では今年3月、本県と沖縄の両方から、1往復ずつ運航されたチャーター便が参考になる。県によると、同便は本県側と沖縄側ともにほぼ満席で運航された。本県の花の見ごろが重なり好評だったという。

 総会では、沖縄側の出席者から本県の情報発信を強化する必要性が指摘された。本県の魅力が伝わらなければ、沖縄県民が観光の行き先として本県を選ぶことはないだろう。本県の魅力は花だけでなくたくさんある。情報発信の在り方を見直さなければならない。

 沖縄県の観光は、航空路線の拡充や大型クルーズ船の寄港などでにぎわっている。那覇空港では第2滑走路の整備も進む。定期路線が復活すれば、沖縄から訪日外国人旅行客を本県に呼び込む流れをつくることも期待できる。

 また同空港は24時間運用で東アジアの物流拠点にもなっている。定期便があれば、沖縄を中継点に県産魚介類をアジアの国々にいち早く届けることもできるだろう。沖縄線が持つ可能性を福島と沖縄の両方で考え、利活用策に知恵を絞り、路線復活につなげたい。