【7月29日付社説】18歳と知事選/自覚高める教育積み重ねよ

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 知事選は本県の今後の方向性を決めるための重要な選挙だ。県の将来を担う若い世代が政治に興味を持ち、主体的に参加できるような主権者教育を進めたい。

10月11日に告示される知事選は同28日に行われる投開票まで、あと3カ月となった。今回は知事選としては初めて、高校生3年生の一部を含む「18歳選挙権」が適用される選挙となる。

 県内の高校では2015年の公職選挙法改正で、選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられてから、生徒の政治的な知識を育む「主権者教育」を行ってきた。知事選は、県のリーダーを選ぶ身近な選挙であることを新有権者が十分に認識し、投票所に積極的に足を運ぶような意識の醸成を図ることが必要だ。

 今回の知事選で県選管は、主権者教育の一環として、県内4高校で、実際の立候補者名を使って「模擬選挙」を行う予定だ。学校によっては今回の選挙では選挙権がない生徒も対象になる。生徒たちは、選挙公報などを参考にして候補者が訴える政策を多角的に分析し、自分の意見をまとめる事前学習に取り組む。その後、選管が用意した投票箱などを使い、本番さながらの投票を体験する。

 知事選で1票を投じる候補者を決定する過程では、有権者一人一人が、高齢化や人口減少対策、復興の在り方など、本県が直面する課題について、正面から向き合い、考える必要がある。

 模擬選挙に参加する生徒たちにも、それらの課題を解決していくために、より良い答えを示している候補者は誰なのかを見定め、自らも考える機会として役立ててもらいたい。

 日程の都合などで、模擬選挙が行われない高校でも、知事選までの間に、生徒たちが、本県や地域の課題について学び、考える時間を設けることはできるだろう。

 知事選は、告示までには候補者が出そろい、選挙公約などが発表される見通しだ。選挙期間中には、各種メディアを通じて争点の比較や候補者の動きなどが報じられることになる。

 各高校には、県選管や県教委と連携を密にしながら、さまざまな機会を利用して主権者教育に努め、生徒たちが政治を身近なものとして捉えることができるよう知恵を絞ってもらいたい。

 また、高校生が政治や選挙に関心を持つ環境をつくるためには家庭や地域が果たす役割も大きい。

 18歳が有権者として自覚を深めていく手助けをするとともに、手本を示すことが肝心だ。