【8月3日付社説】全国学力テスト/論理的な思考培う後押しを

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 子どもたちが筋道立てて考える力を培うことができるよう指導に工夫を凝らし、苦手な数学を得意科目へと変える後押しをしたい。

 文部科学省が、小学6年と中学3年を対象にした全国学力テストの結果を公表した。本年度は国語と算数・数学に、3年に1度行われる理科を加えた3教科が行われた。国語と算数・数学は、基礎知識を問う「A問題」と、応用力をみる「B問題」に分かれている。

 県内の公立小中学校の平均正答率を全国平均と比較すると、小6国語Aが全国平均をやや上回る。逆に下回ったのは中3の数学Aと数学Bで、その他の科目は全国平均並みだった。県教委には、国語の成績をさらに伸ばす取り組みを続けながら、中学生が数学を苦手とする原因を探り、的確な対策を講じることで、学力の底上げを図るよう求めたい。

 本県の算数・数学を巡る状況について、テストと同時に児童生徒を対象に行ったアンケートの結果でみると、小学6年では、全国平均以上に算数の授業が好きで、授業内容も理解しているという傾向がある。しかし、中学3年になると、一転して数学の授業に対する肯定的な回答が減り、理解の状況も全国平均を下回る。

 この結果について、数学教育が専門の秋山了(おさむ)福島大准教授は「算数は生活に身近で具体的な内容だが、数学は抽象的になり、生徒が興味や関心を持ちにくくなる」と話し、ギャップを埋めることが数学の苦手意識を克服し、学力を伸ばす鍵となることを指摘する。

 また、アンケートから、新聞を読む頻度とテストの正答率との関係を文科省が分析したところ、新聞を読む頻度の高い方が頻度の低い子どもに比べ全教科で平均正答率が高かった。その傾向は応用力をみる小6算数Bや中3数学Bで差が大きかった。

 県教委は、算数や数学の学力を伸ばすためには、正しい答えを導き出すための思考力や判断力、表現力などを育んでいく必要があると分析している。学校の授業を通してこれらの力を育むのはもちろん、家庭でも学習の基礎を養うための取り組みが求められる。

 県教委は9月から県内6地域で算数と数学を担当する教員の指導力向上に向けて研究会を開く予定だ。子どもたちが算数・数学を学ぶ際、つまずいて苦手意識を持つようになる時期や中身は一人一人異なるだろう。苦手意識が固定化する前に、つまずきにいち早く気付き、克服するための指導はどうあるべきか。将来を担う子どもたちのために知恵を絞ってほしい。