【8月5日付社説】甲子園100回大会/熱いドラマを次代へ紡ごう

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 100回目となる全国高校野球選手権がきょう、開幕する。高校球児にとって夢の舞台である甲子園で、例年にも増して熱いドラマが生まれることを期待したい。

 夏の高校野球の前身となった全国中等学校優勝野球大会が始まったのは1915年のことだ。当初は大阪府の豊中球場などで開かれ、24年から甲子園に会場が移った。先の大戦に伴う中断を挟みながらも歴史を紡いできた。

 県勢は、第2回大会から地方予選の東北大会に出場し、第20回大会(34年)で福島師範学校が初めて甲子園の土を踏んだ。以来、複数回出場を含めた12校が本大会に進んでいる。これまでの通算成績は35勝56敗だ。

 多くの熱戦の中でも、特に県民の印象に残っているのは、県勢初の決勝進出を果たした71年の磐城の快進撃だろう。また近年では、聖光学院が4回にわたりベスト8入りし、全国に存在感を示した。

 躍動する選手たちの姿は、競技に打ち込む子どもたちばかりではなく、大人にも希望や勇気を届けてくれた。県予選から本大会に至るまで汗を流し、勝利を目指して全力を尽くしてきた全ての選手たちに改めて拍手を送りたい。

 大きな節目を迎えた高校野球だが、硬式野球部の部員数は減少傾向にある。県高野連によると今年5月現在の部員数は2745人で10年前より2割以上減った。少子化に加え、他の競技を選ぶ生徒が増えていることが背景にある。この傾向は全国的に見ても同じだ。

 そのため日本高野連などは今年、高校野球の「次の100年」に向けた行動計画を策定した。小さいうちから競技に親しんでもらうためのイベント開催や、小中学生が野球を続ける環境整備、指導者育成などを進める考えだ。

 野球は、プレーを通して体を鍛えるだけではなく、チームメートと友情を育んだり、ルールを守ることの大切さを学んだりすることができる。こうした魅力を多くの子どもに知ってもらい、競技人口を増やしていくことが大切だ。

 選手のけが防止や、暑さ対策なども大きな課題となっている。

 高校野球では今年から、試合の長時間化を防ぐためタイブレーク制度が導入された。高野連などは今後も、選手が健康を維持し、競技に全力で臨めるよう対策を充実させていかなければならない。

 今年の夏の甲子園は、聖光学院が県勢最多となる15度目の出場を果たした。11日に報徳学園(東兵庫)との初戦を迎える。聖光学院には、持ち味の勝負強さを存分に発揮してほしい。