【8月7日付社説】「FIT構想」延長/連携の強み最大限に生かせ

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 広域連携の強みを最大限に生かして、県際地域の活性化と発展につなげなければならない。

 福島、茨城、栃木3県でつくる「FIT構想推進協議会(会長・内堀雅雄知事)」は、本年度で期限を迎える構想の推進期間を7年間延長し、2025年度までとすることを決めた。延長に合わせて構想も一部改定する。期間延長は09年度に次いで2度目となる。

 FIT構想は福島(F)、茨城(I)、栃木(T)3県の県際地域である「FIT地域」の交流拡大や地域振興などを目的に1988年に作られた。範囲は、本県が県中、県南、いわき、南会津の20市町村、茨城が6市町、栃木が10市町の計36市町村で、3県の面積に占める割合は約3割にもなる。

 構想がスタートして以来、県の枠を超えて連携してきたが、この間、地域を取り巻く状況と課題は大きく変わっている。推進期間の延長をフルに活用して、地域の活性化を進め、その成果を広げていくことが重要だ。

 推進期間を延長し、取り組みを強める背景には、地域内の人口減少や根強く残る原発事故の風評対策など、前回の期間延長後に浮上した新たな課題への対応がある。

 構想の改定は、これらの課題への対応が中心となり、地域の将来イメージや目標像、主要プロジェトなど柱の部分は現行のまま維持される見通しだ。継続性という観点では有効だが、既に30年を経た構想であり、事業のマンネリ化も指摘される。来年度からの事業をより実効あるものにしていくためには、新たな視点からの事業づくりなど対応も求められる。

 FIT地域は、豊かな自然に恵まれているだけでなく、首都圏からも近いという地の利がある上、道路や港湾、空港など社会インフラも整ってきており、地域が持つ可能性は高まっている。これらのことから東京圏を補完する役割も期待されている。

 地域内には、本県の大内宿、栃木では那須高原、茨城では袋田の滝など名だたる観光地がある。移住を募るにあたっても海から山まで幅広く紹介できるのは、この地域ならではの強みである。

 地方創生を目指して全国の自治体が取り組みを競う広域観光交流や定住・二地域居住などに、最適の地域であることを再認識して、地域のPRとさらなる資源の掘り起こしに努めることが必要だ。

 構想スタートから長年を経てなお高まっているとは言い難いFIT地域としての認知度アップについても構想期間の延長を機に力を入れなければならない。