【4月17日付社説】3号機核燃料搬出/困難乗り越え着実に廃炉を

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 難易度が増していく廃炉作業を一つずつ確実にこなしながら、本県の復興再生というゴールを目指していくことが重要だ。

 東京電力が福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し作業を始めた。炉心溶融を起こした1~3号機のプールからの搬出は初めてとなる。

 3号機のプールには大量の使用済み核燃料が保管されたままで、廃炉を進める上で大きな障害になっており、搬出は廃炉作業の安全確保に向けた大切な一歩となる。

 搬出は、作業に使うクレーンなど関連機器の不具合が相次いだこともあって、当初目標から4年以上遅れてのスタートとなった。本県の復興は第1原発の廃炉なしには成し得ない。作業の安全確保を最優先にしつつ、作業を着実に前進させて2021年3月末の搬出完了を実現させてもらいたい。

 燃料の取り出しは、3号機とは別の場所にある遠隔操作室で、担当者が燃料取扱機を使って行う。燃料取り出しは、炉心溶融しなかった4号機での実績があるが、3号機はプール周辺の空間放射線量が高いため、作業の全てを目視ではなく、遠隔操作で行わなければならないという難しさがある。

 廃炉の工程表にあたる「中長期ロードマップ」では、3号機に続き、23年度をめどに1、2号機でも遠隔操作による燃料の取り出し開始を予定する。3号機での作業を通じて、遠隔操作などの技術の積み上げと、技術者のスキルアップに取り組み、1、2号機での搬出に役立てていくことが大切だ。

 東電は、3号機からの燃料取り出しに合わせて、ホームページ上に特設ページを設けた。作業の進み具合などを随時更新するほか、トラブルなどがあった場合には速やかに公表する方針だという。

 ただ、東電を巡っては、情報公開の在り方などが長年にわたり課題として指摘されている。トラブル回避に全力を挙げることが肝心だが、万一発生した場合は速やかに公表し、説明を尽くすよう求めておきたい。それが廃炉に関わる不安をなくし、風評を防ぐことにつながると銘記すべきだ。

 使用済み燃料は、熱と強い放射線を長期間、出し続け、冷却や放射線を遮るためプールに保管されている。1~3号機のプールには未使用を含め計1573体ある。

 取り出した燃料は別のプールで保管した後、金属製の容器に入れて保管設備に移すとしているが、最終的にどこに持って行くかは未定だ。廃炉の確かな進展と合わせて、国は廃炉の行く末についての議論を進めなければならない。