【遠野-湖南】粘りのピッチングで要所を締めた湖南の渡部＝いわきグリーンスタジアム

　第９０回全国高校野球選手権記念福島大会第３日は１１日、福島市のあづま球場など５球場で１、２回戦１３試合を行った。４季連続の甲子園出場を狙う聖光学院はあさか開成の粘りに苦しみながらも３―２でサヨナラ勝ち。第５シード小高工は昨夏準優勝の日大東北に６―２で快勝した。湖南は１１―５で遠野を破り、６年ぶりの初戦突破。光南は６―５で喜多方工を振り切った。郡山商は終盤の集中打で相馬東に９―２で圧勝。大会第４日の１２日は、メーンのあづま球場などで２回戦１５試合を行う。

　緊張マウンド チームに勝利
　「１勝が目標だった。先輩たちのため勝ててうれしい」。９回を投げきり、湖南に６年ぶりの夏勝利をもたらしたのは、背番号「２」の先発渡部貴広（２年）。最後の打者を打ち取り、こぶしを掲げて歓喜を表したが、内実は重責を果たし、ほっと胸をなで下ろした。
　背番号を表すように通常は捕手。投手陣をリードする立場だが、試合前日の１０日にチームの夏初戦の先発登板を告げられた。「準備はしていたが、やはり緊張した」と夏の初戦のマウンドを振り返る。試合では何度かピンチを迎えたが「バックを信じた」と得意のストレートで攻め、後続は許さなかった。
　次は第６シード東日大昌平と対戦。「先輩たちを信頼している。全員野球を貫くだけ」と気負いはない。