【東白農商―平商】９回表東農商２死二塁、緑川の左越え二塁打で二走塩田が生還＝白河グリーンスタジアム

　第９０回全国高校野球選手権記念福島大会第５日は１３日、福島市のあづま球場など県内５球場で２回戦１４試合を行い、３回戦に進出するベスト３２校が出そろった。来春から棚倉と統合する東白農商は５―３で平商を振り切った。白河旭はエース近藤が５回参考ながらノーヒットノーランを達成、打っては新地を１８―０の５回コールドで圧倒した。福島は７回に集中打で４点差をはね返し、二本松工に逆転勝ち。第６シード東日大昌平は初回に一挙１６点を奪う怒とうの攻撃を見せるなど、湖南を５回コールドで下した。小野は３―２で須賀川に延長１０回サヨナラ勝ちした。
　前期日程は同日ですべて終了。後期日程がスタートする大会第６日の１７日は、メーンのあづま球場など県内６球場で３回戦１６試合を行う。

　最後の夏へ思い　白星をもぎ取る
　「東白農商の夏はまだ終わらせない」。中盤以降１点を争う緊迫のゲームとなった平商との初戦。来春に棚倉と統合し、創部５９年の歴史に幕を閉じる母校。最後の夏にかける佐川和馬主将（３年）らナインの強い思いが土壇場の９回に爆発。二死からの集中打で白星をもぎ取った。
　序盤は一進一退の攻防。東白農商は先制したが、直後に逆転を許し、３回に同点に追いつき、試合は振り出しに。打撃戦の様相を呈した試合で、先発の藤田良樹（２年）が粘りの投球。３回以降は無失点で試合のリズムをつくった。
　藤田と中学時代からバッテリーを組む塩田拓篤（同）がチームメートの力投に奮起。９回二死二塁で「内角高めを振り抜いた」。打球はレフトのグラブをかすめ、決勝点を生む左越え二塁打となった。
　粘り勝ちした夏の１勝に自信に満ち、堂々と校歌を歌い上げたナイン。「東白農商」の文字がスコアボードに掲げられる最後の夏が始まった。