【光南−福島】劇的な逆転サヨナラ勝ちに、歓喜の表情で応援スタンドに向かう福島ナイン＝あいづ球場

　第６１回秋季東北地区高校野球県大会第４日は２１日、白河市の白河グリーンスタジアムと天狗山球場、会津若松市のあいづ球場、会津坂下町の鶴沼球場の４球場で２回戦８試合を行い、前半戦が終了、ベスト８が決まった。
　福島は光南に６−５で逆転サヨナラ勝ち。小高工は中盤に逆転して郡山商を５−４で破った。２回戦から登場の日大東北は福島商を１０−０のコールドで下した。勿来工は安達に７−２で快勝し、２８年ぶりの８強入りを決めた。このほか須賀川、聖光学院、いわき光洋、東日大昌平がベスト８に名乗りを上げた。
　後半戦は２６日から２８日までの開催。２６日は白河グリーンスタジアムと天狗山球場で準々決勝４試合、２７日は白河グリーンスタジアムで準決勝２試合、２８日に同スタジアムで決勝などを行う。

　「追う立場」を力に
　勝利を信じ攻め続けた。「このままでは終われない」。２回、守備の乱れから３点を献上した福島は、回を重ねるごとに集中力を高め、勝利の機運を呼び込んだ。
　「追う立場」が福島の大きな力になった。５回、大河内孝志監督は「相手が守りに入っている。攻めて流れを手にする」と、ナインに冷静に指示。この回、本田大輔（１年）の中越え二塁打を契機に１点を返した。６、７回にも「確実に１点ずつ返す」と目標を立て、着実に得点を重ねた福島ナインは、自らの手で上昇気流に乗った。
　９回２死一、二塁で右飛が落球を誘い、試合を決めた阿部大地（２年）は「勝ちたい気持ちがボールに乗り移った」と強調。一方、光南のエース大越徹也（２年）は「勝ちを意識し油断した」と打ち明ける。「女神」は最終回に勝利への執念を見せた福島にほほえんだ。
　充実した表情の阿部だが「この勝利に安心はできない」と気を引き締める。福島ナインはチームの「勝ち運」を引き寄せ、準々決勝に挑む。