【猪苗代―いわき光洋】７回を投げ、準完全試合を達成したいわき光洋の小松＝いわきグリーンスタジアム

　第９２回全国高校野球選手権福島大会第２日は１０日、郡山市の開成山球場など５球場で１回戦１５試合を行った。いわき光洋はエース小松が７回参考記録ながら準完全試合を達成するなど投打がかみ合い、１１−０で猪苗代に７回コールド勝ち。学法石川は序盤にリードを許しながらも、好機で着実に得点して中盤に逆転、１３−５であさか開成を退けた。白河旭は序盤の得点を最後まで守り切り、１−０で小名浜を下した。保原は９−７で点の奪い合いとなった試合を制し、粘る会津農林を振り切った。会津工は６−２で若松商を下し、会津支部同士の対決をものにした。大会第３日の１１日は、開成山球場など５球場で１、２回戦１４試合を行う。

　「気にせず丁寧に投球」
　ゲームセットを迎え、エースははにかんだような笑顔を浮かべた。いわき光洋の小松兼也（３年）は「気持ちはあまり表に出さないようにしている。ほっとした」と安どの表情を見せた。
　捕手木下裕由（２年）が考えた直球を主体にした組み立てに、小松は「サインに首を振ることはあまりなかった」という。いつもよりも低めに構えられたミットに「高めに球が浮かず、低めに意識して投げられた」と満足そう。
　「５回から完全試合に気づいたが、気にしないで一人一人丁寧に投げることを心掛けた」と振り返る。７回１死まで一人の走者も許さなかったが、猪苗代の吉田直樹（２年）にフルカウントから投じた球はコースを外れ、四球。惜しくも完全試合達成を逃した。しかし、次の打者を三振に打ち取ると、木下がけん制で走者を刺し試合終了、毎回奪三振の１５奪三振で最後の夏の１勝目を挙げた。
　「次戦以降も自分の投球をして全力で戦いたい」。３年生エースは長い夏になることを願った。