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聖光4強と紙一重 夏の甲子園優勝への課題

聖光4強と紙一重 夏の甲子園優勝への課題

強豪校を次々と破り、一躍チームを全国区へ押し上げた聖光学院ナイン

 第92回全国高校野球選手権大会は圧倒的な総合力で勝ち上がった興南(沖縄)が、6校目となる春夏連覇を果たして大会の幕を閉じた。本県代表の聖光学院は優勝候補の広陵(広島)と履正社(大阪)を破って2年ぶり2度目の8強入りを果たした。本県勢として4度目となるベスト8進出を果たした聖光学院の甲子園での戦いを振り返るとともに、県勢が深紅の大優勝旗をつかむための課題などを探る。

 2度目のベスト8
 聖光学院は、福島大会の決勝で光南に3―0で勝利、優勝とともに県内51連勝という無類の強さを示した。県史上初となる4年連続で甲子園出場を決め、「全国制覇」という目標を掲げて甲子園に乗り込んだ。
 初戦は選抜大会ベスト4の広陵(広島)。エースは最速149キロを記録したプロ注目右腕の有原航平(3年)だった。大方の予想は聖光学院の劣勢だったが、試合は「1点差で勝つ試合展開」を予想していた斎藤智也監督のもくろみ通りに進んだ。
 終盤までエース歳内宏明(2年)と有原の投手戦となった。「互いに似ているチーム」と分析していた斎藤監督。勝負の分かれ目となったのは機動力を駆使した攻撃だった。
 七回1死一塁から、三瓶央貴(3年)がヒットエンドランを決めて一、三塁。ここで有原が暴投し、決勝点となる1点をもぎ取って3回戦進出を決めた。
 2試合目の履正社(大阪)では、1戦目とは違って長打攻勢がさえた。この日もマウンドの歳内が奮闘。フォークの握りよりも浅く握る決め球の「スプリットフィンガード・ファストボール」が初戦に続いて決まった。
 序盤はゼロ行進。長打2本で2点を先制したが、2点本塁打で追いつかれて守備で踏ん張ると、八回に2点本塁打などで3点を奪って勝利した。
 準々決勝。興南からいきなり3点を先取、流れをつかんだが、守備のほころびから流れを失って大量失点。終盤にも得点を奪われ、力尽きた。

 勝負分けた失策
 準々決勝の試合終了後、斎藤監督は「力負けですね」と敗因を口にした。確かに今大会優勝投手の島袋洋奨(3年)の投球に加え、興南の攻撃力は素晴らしいものだった。しかし、興南を相手に集中打で3点を先取し、試合を優位に進めた聖光学院の戦いぶりは見劣りはしていなかった。勝負を分けたのは失策だったろう。
 準々決勝までの2試合を無失策で勝ち上がってきた鉄壁の守備の乱れが敗戦の引き金となった形だ。
 聖光学院の横山博英部長は「揺れ動いているのが見えた」と話したように、決勝に近づくにつれて“紙一重の差”の戦いになってくる中で、常に集中力を保ち続けることの難しさを思い知らされる結果となった。

 「終わりない旅」
 
広島、大阪勢に初勝利し、全国区に名乗りを上げた聖光学院。強豪校との対戦での重圧は確実に少なくなったと言っていいだろう。
 初出場した2001(平成13)年夏の甲子園。0―20のスコアで明豊(大分)に敗れてから9年。「私学強豪を破るまでに10年かかった。『手ごわい相手』との印象を植え付けることができたが、ベスト8の壁を破るために終わりのない旅があらためて始まる」。横山部長はこう話した。
 年々、着実に力をつけることで有望選手が県内外から集まる好循環を生んでいる聖光学院。斎藤監督は「簡単な距離ではないが、トップチームとの差は詰まってきている。プラスアルファの力が必要」と今後の展望を示した。優勝した興南は連戦にも大崩れすることはなかった。そのプラスアルファの力とは、連戦にも耐え抜く「絶対的なタフさ」といえるのかもしれない。
(2010年8月22日 福島民友・高校野球ニュース)



 

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