【長沼―小高工】３回表小高工１死一、二塁、斎藤が左越え三塁打を放ち、逆転。捕手矢吹＝天狗山球場

　第９３回全国高校野球選手権福島大会第７日は２３日、郡山市の開成山球場など４会場で４回戦８試合を行い、ベスト８が決まった。７回に一挙８点を奪った小高工は１３―１で長沼にコールド勝ち、２年連続の８強入り。第４シード原町は６回に大量失点し、２―１２で東日大昌平にコールド負け。東日大昌平は２年ぶりのベスト８進出となった。接戦を制した須賀川は４―３で白河旭に勝利、１２年ぶり８強入りを果たした。シード校の聖光学院は５年連続、学法福島と日大東北は２年ぶりのベスト８、白河は３年連続、いわき光洋は初の準々決勝進出となった。
　第８日は２４日、開成山球場と白河市の白河グリーンスタジアムで準々決勝４試合を行い、ベスト４が決まる。準決勝は２６日、決勝は２７日に行う予定。

　２年連続準々決勝へ
　校歌を声高らかに歌い上げ、喜びいっぱいにスタンドに駆け出した小高工ナイン。初戦から変わらぬ全校応援を背に選手たちは躍動、東京電力福島第１原発事故の影響で他校の校舎に移るサテライト実施校の５チームのうち唯一、８強入りを果たした。
　長沼との４回戦。先制を許し、序盤は主導権を握られる展開だったが、３回以降は一変。３回に逆転の左越え適時三塁打を放った斎藤辰徳（３年）は「打ったのは甘いスライダー。応援のお陰で試合にスムーズに入れた」と振り返る。その後は投打がかみ合い、７回の６連打を含め、１７安打の猛攻で勝利を収めた。
　チームは相馬、二本松両市で練習を実施。選手の中には津波で家を流されるなど、厳しい環境で野球を続ける選手も少なくないが、昨夏に続き２年連続の８強入りを果たした。“夏に強い小高工”の通り名を体現し、斎藤は「昨夏敗れた聖光学院に雪辱を果たすまで負けられない」と闘志を燃やす。
（２０１１年７月２４日　福島民友・高校野球ニュース）