【会津学鳳―相双福島】５回裏会津学鳳２死二塁、先制を許し、マウンドで声を掛け合い、気持ちを切り替える三塁西山樹（中央）ら相双福島ナイン＝あいづ球場

　来春のセンバツ出場への第２関門となる第６３回秋季東北地区高校野球県大会第３日は１８日、会津若松市のあいづ球場、会津坂下町の鶴沼球場、いわき市のいわきグリーンスタジアムの３球場で１回戦７試合を行い、日大東北と東日大昌平の支部第１代表が１回戦で姿を消した。東京電力福島第１原発事故に伴う部員の転校などで部員不足に陥った双葉、原町、相馬農の３校でつくる「相双福島」は会津学鳳と対戦、一時は逆転したが、３―４の９回サヨナラ負けで力尽きた。郡山商は初回に奪った３点を守り切り、３―２で東日大昌平を振り切った。田島は中盤に大量得点を奪って１０―２で葵に７回コールド勝ちした。投打がかみ合った学法石川は７―４で日大東北を破った。第４日はあいづ球場など３会場で２回戦８試合を行う。

　チームの絆強まる　逆境にも仲間の支え
　先制を許した直後でさえ、相双福島のマウンドには笑顔があった。チーム結成から約１カ月半。「チーム」と呼ぶにふさわしい光景だった。会津学鳳打線を無失点に抑えていた先発本間雅貴（２年）だったが５回、長打から先取点を奪われた。
　「投手の時に声を掛けてもらうと楽になる」。一塁猪狩駿（１年）は、投球の合間に何度も本間に近づき声を掛け、チームの絆の強さが現れた。週末しかできない全体練習。投手志望の猪狩は一緒に練習する本間の直球、投球フォームを盗み、平日にサテライト協力校の練習に混ざりながら、反復練習に励んだ。
（２０１１年９月１９日　福島民友・高校野球ニュース）