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エース・石井、無念の途中降板 勝負球を痛打される
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【聖光学院−敦賀気比】6回表敦賀気比1死一、三塁、岸本に適時二塁打を浴びるエース石井(右)=甲子園
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甲子園のマウンド上で聖光学院のエース石井成(2年)は、外野フェンスを越えていく三つの白球をただぼうぜんと見つめていた。敦賀気比打線に3本塁打を含む11安打を浴び、8失点で7回途中で降板。2回戦の益田翔陽戦を完封、3回戦の鳴門戦も自責点0の完投と、チームの躍進を支えた2年生左腕が強打の敦賀気比打線に屈した。
2回に1点を先制されて迎えた3回、簡単に2アウトを取った後、敦賀気比の2番米満一聖(3年)に右翼線二塁打を許し、直後の3番山田誠也(同)に2球続けたチェンジアップをバックスクリーン左に運ばれた。
「2アウト、2ストライクと追い込んだのに」と、試合の流れを決定付けた失投を悔やんだ。
斎藤智也監督が「高めを狙われていた」と振り返った1球。打たれたチェンジアップは昨秋から多くの打者を翻弄してきた決め球だが、全国レベルの強打者の前では制球が少しでも狂えば痛打されることを教えられた。「甘く入ったら見逃してくれませんでした」。7回に山田と4番喜多亮太(同)に連続被弾した場面を思い返し、幼さが残る表情でエースは潔く敗戦を受け入れた。「僕の技術がまだ上のレベルでは通用しないことを教えてもらった。野手に信頼される投手になりたい」。甲子園の悔しさを晴らす舞台が、甲子園以外にないことを2年生エースは知っている。
(2013年4月1日 福島民友・高校野球ニュース)
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