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● 日本一への道 聖光学院8年連続の夏(下) |
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昨秋の敗戦を糧に6割6分7厘と驚異的な打率を残し、8連覇の立役者となった柳沼
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好投手が数多くそろった福島大会だったが、聖光学院はその中でも5試合で2桁安打を記録、6試合で65得点と圧倒的な攻撃力で勝ち上がった。「歴代一の攻撃力」。斎藤智也監督がそう評するように、4割6分1厘の驚異的な数字をたたき出したチーム打率は、11度の優勝を成し遂げたチームの中でも過去最高だ。そんな選手たちの成長には悔しさを胸に刻んだ一戦があった。
昨秋の県大会準決勝。日大東北に敗れ、県内公式戦の連勝記録が「95」で途絶えた。多くの選手が「自分のことだけを考えてプレーしていた」と当時を振り返る。残塁は11を数え、後続につなぐ意識に欠けたことが敗因の一つとなった。
最後の打者に倒れた柳沼健太郎(3年)は「気持ちの面で弱い部分が出た」と精神面での課題を挙げた。好機を生かせなかった反省から、日ごろの打撃練習では走者を置く状況を常に頭にイメージした。「逆方向を狙い、次につなぐ」という3番打者の自覚が芽生え、結果は数字に表れた。6割6分7厘と夏の大会最高打率(20打席以上)を更新し、決勝の延長11回には左翼線にはじき返す奇跡の幕切れとなるサヨナラ打を放ち、逆境での勝負強さを発揮した。
八百板卓丸(同)は「『自分たちは強い』という過信があった」と昨秋のチーム状態を明かす。敗戦から約1カ月半、主力選手はグラウンドに入ることも許されず、「このままじゃいけない」という危機感が選手の間に漂った。八百板もその思いで1日2000本のスイングに取り組み、苦手の速球派投手への対策を講じた。球筋を見極める余裕ができ、夏の大会で140キロ超を誇る投手相手にも対応した。
厳しい戦いを強いられた福島大会決勝では、技術的、精神的に成長した姿を示した聖光ナイン。負けを知った「常勝軍団」が東北勢初の全国制覇を目標に、いよいよ甲子園に乗り込む。
(2014年7月30日 福島民友・高校野球特集)
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