【白河実―安積黎明】春の県大会で初勝利を挙げ、喜ぶ安積黎明ナイン＝あいづ球場

　第６７回春季東北地区高校野球県大会第３日は１７日、あいづ球場（会津若松市）押切川公園球場（喜多方市）いわきグリーンスタジアム（いわき市）で１回戦７試合を行った。
　安積黎明は５―４で白河実の追撃を振り切り、春の県大会で初出場初白星を飾った。聖光学院は左腕の鈴木拓人（２年）が５回参考記録ながら準完全試合を達成、福島東に１０―０でコールド勝ちした。白河と会津学鳳もコールド勝ちし、相馬、福島商、二本松工は逆転勝ちで２回戦に進出した。
　第４日の１８日は３球場で１、２回戦６試合を行う。

　創部１５年目“悲願”
　安積黎明ナインは校歌を歌い終えると、体いっぱいに喜びを表しながらスタンドに向かって駆け出した。創部１５年目でつかんだ悲願の初白星。３安打１打点の活躍で勝利に貢献した８番吉田健人（３年）は「学校に新たな歴史を刻めた。本当にうれしい」と誇らしげだった。
　「何を打ったかほとんど覚えていない」というほど夢中でプレー。１点リードの２回１死二塁、中前打で追加点に結び付けると、５回には中前に打球が弾む間に二塁を陥れ、貪欲に次塁を狙う姿勢が光った。
　冬場は１日１千本以上の素振りをし「スイングスピードが速くなった」と自信を深めた。開会式の日に１８歳の誕生日を迎え「この大会で良いところをみせたかった」と闘志をみなぎらせていた。野球人生の中で記憶にないという３安打に「忘れられない試合になった」とほほ笑んだ。
　次戦は聖光学院が相手だが、「最後まで粘り強く戦う自分たちの野球を貫きたい」と頼もしい。王者に真っ向から挑み、道を切り開く。
（２０１５年５月１８日　福島民友・高校野球ニュース）